廃棄物とは何か?・・有償か否かでは決められない

 あるものが、廃棄物なのか、そうでないのかを決めることは重要です。

 

 実は、私自身が曖昧なままでした。有償で引き取ってもらえれば「有価物」として廃棄物に該当しない、という程度で考えていました。

 ある事情で確認が必要だったので調べたら、グレーゾーンが広いことが判りました。

 

 廃棄物処理法などの規制はとても厳しいので、排出事業者としては有価物として引き取ってもらうことで廃棄物に該当させないのが好都合です。簡単に言うと、廃棄物に該当すれば保管や運搬・処理が厳しく規制されるものが、資源となれば緩やかになります。

 また、排出したものが付加価値を持たせた資源として活用されると、環境会計や環境レポートでゼロエミッションとして評価することもできます。

 

 

 一方で、規制する行政の側からすれば、本来は廃棄物として規制されるべきものを勝手に資源だと判断して乱雑に取り扱われると困ります。そこで、出来るだけ廃棄物に該当させて、きちんとした管理をしようと考えます。

 

 社会全体としては、両方の側面があります。安全や健康の観点からは、廃棄物の管理が厳しいほうが望ましい。リユース・リサイクルを進める循環型社会の構築という観点からは、廃棄物に該当する範囲をあまり拡げないほうがいい。難しい問題です。

 

 それでは、廃棄物とは何か? 廃棄物処理法第2条に定義されています。

 「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された放射性廃棄物を除く。)をいう」

 なるほど、気体は廃棄物に該当しないんだ!とか、あらためて読んで気づきます。

 

 この条文だけでは判り難いので、環境省の通達(2002年改定)で・・

 『廃棄物とは、占有者が自ら、利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであつて、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではないこと。』

 つまり、(占有者の意思、その性状等を)総合的に勘案して決めるということです。

 まだよくわかりません。

 

 そこで、「占有者の意思、その性状等」とは何か? 

 環境省は更に通達(2005年)して、以下の5項目の判断基準を挙げています。

 ア 物の性状

    利用用途に要求される品質を満足し、かつ飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境保全上の支

   障が発生するおそれのないものであること。

 イ 排出の状況

    排出が需要に沿った計画的なものであり、排出前や排出時に適切な保管や品質管理がなさ

   れていること。

 ウ 通常の取扱い形態

    製品としての市場が形成されており、廃棄物として処理されている事例が通常は認められな

   いこと。

 エ 取引価値の有無

    占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経

   済的合理性があること。

 

 オ 占有者の意思

    客観的要素から社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思として、適切に利用し若しくは

   他者に有償譲渡する意思が認められること又は放置若しくは処分の意思が認められないこと。

 

 ここまで来て、「有価物だから廃棄物ではない」というのは誤りだと分かります。

 仮に有償で引き取ってもらえるとしても、生活環境保全上の支障が無視できないレベルなら廃棄物に該当します。見掛けだけ有償にしても、市場が形成されていないようなものは廃棄物です。

 

 どこまで客観的にわかるものか、判断は難しくて、行政の担当者によっても分かれるようです。

 なかなか手強いですね。よく検討しなければいけません。