環境配慮設計という環境目標

自然環境へ過大な負荷を与えない「地球に優しい工場」だけが、生産を続けられる時代です。

 

中国・北京市で初めて、大気汚染「赤色警報」が発令されました。PM2.5の値で数百㎍/㎥という猛烈なスモッグが今後も続く見込みです。

 

市内を走る自動車はナンバープレートの末尾が偶数に制限され、学校はお休みになり、多くの工場が操業を停止するように命令されました。

しかし、大気汚染の主な原因は暖房と発電に使用される石炭ボイラーの排ガス処理をおこなわないことです。中国には、何年も前から、排ガス処理をおこなう技術も知財も人員もお金もあります(ないのは、やる気だけ)。もうそろそろ、実行してもよいと思うのですが、いかがでしょうか。

毎年160万人が大気汚染で死亡しているという、(少し眉唾な)研究結果まで発表されています。

 

さて、工場の操業は少なからず自然環境に負荷を与えます。

EA21(エコアクション21)でもISO14001でも、EMSの環境目標に

「環境配慮設計(グリーン設計・エコ設計)を年間○件以上」といったものをよく見ます。

実績のところには、△件/○件で目標達成となっています。○や△には、2とか3とかという、比較的小さな数字が入ります。

 

これは具体的には何ですか?と質問すると、

「×××という新製品は消耗品を金属と樹脂を分別できるように設計した。」「◇◇◇という製品は排ガス処理に使用されて効果が高い製品です。」というような返事になります。

つまり、環境配慮設計の〇件は会社として新しい取り組みをした新製品ということです。こういう製品を設計開発して上市していくことは、素晴らしい成果です。

 

環境配慮設計は、総合的環境負担制を低減する設計のことです。

使用する資源/エネルギー・製造時の物質収支・水質や大気質への負荷・有害物質の排出・生態系への負荷・温室効果ガスの発生などが、配慮される項目です。

実は、環境配慮設計は省資源・省エネ・省力化になるので、コストダウンやCS向上につながります。大なり小なり、あらゆる製品の設計で配慮されているのです。

実績△件以外の設計を見せてもらうと、どの設計も環境配慮設計と言えます。

また、新製品に限らず、既存の製品の設計や製造工程を見直すことも環境配慮設計です。

 

EMSの環境目標としては、できれば、事業所の環境配慮設計による効果の総量を計測して評価したいとことろです。