東芝の不正会計問題が止まりません

引き続き、東芝の不正会計問題が連日報道されています。

 

一昨日、「第三者委員会報告書格付け委員会」が東芝の不正会計問題を調査した第三者委員会の報告書の格付けを発表しました。

8人の委員のうちC評価が4人・Dが1人・F(不合格)が3人という結果だったというニュースが大きく取り上げられました。

 

格付委員会は、『東芝の第三者委員会は、第三者なんかではなく東芝経営陣の「いいなり」であり、東芝経営陣には「自浄作用の片りんもない」』と批判しています。

 

 

ニュースにある、この「格付け委員会」というのを、今回初めて知りました。

簡単に言えば、有名な弁護士さんたちが集まって、勝手に評価しているもので、特に権威や根拠はなさそうです。なんだか、報道は少々煽り気味です。

東芝が7回目の格付けです。これまでの6回でF(不合格)の評価があったのは次の2件。

リソー教育の報告書で2人・・ 事実調査が不十分でうわべだけ。法的評価に囚われすぎた。

朝日新聞の報告書で5人 ・・ 第三者委員会が第三者ではない。再発は防止できない。

 

この東芝の第三者委員会報告書は7月に公表されたものです。その後も次から次へと不正会計の実態が明らかになっています。

11月に格付け評価したのですから、不合格が3人でよく済んだと言うべきかもしれません。ただ、報道の大きさの割には、それほどの問題ではないと考えていました。

 

ところが、この後の昨日、室町社長の陳謝がニュースで流れました。

東証からの指摘を受けてウェスチングハウスの減損についての調査を実施したのですが、室町社長の認識はかなり甘そうです。

室町社長が、副社長だったのか監査委員だったのか、時期はわかりませんが、経営トップに近い立場にはありました。その状況で、1000億円を超える巨額な減損を「認識していなかった」というのは、経営としては流石に酷すぎます。

東芝を何とか立て直しをしないと、多くの人たちが困ります。

 

いろいろな不正が明るみになっても、営業赤字になっても、東芝の経営陣や東芝本社で働く人には、それほど大きなダメージはありません。

どうしても、しわ寄せは関連会社や協力会社に来ます。

収益確保のためのリストラや事業売却といったことが俎上に載ります。東芝の会計の傷み具合からすれば、これは仕方ないことで、ある意味では当然おこなわれることです。

 

そんなときに、本社から遠い、地方の関連会社とか協力会社の経営者や、そこで働く人をきちんとケアできるかどうかで、会社の実力がわかります。

経営陣には、財務の健全化より以上に、その点を「認識して」いて欲しいと思います。