小規模企業者の販路開拓は営業人材の採用が一番?

ちょっと旧聞ですが、小規模企業白書から面白いデータを紹介します。

 

中小企業基本法で原則として従業員5人以下の事業者を「小規模事業者」と呼んでいます。(製造業などは例外で20人以下) 会社(法人)だけでなく、個人事業者も含まれます。

 

日本で事業を営むものは約389.4万者ありますが、そのうちの87%にあたる334.3万者が小規模事業者です。

従業者数では、日本全体で4614万人のうち、26%にあたる1192万人が小規模事業者のもとで働いています。

以下、詳しいことは「小規模企業白書」をご覧ください。

 

 

小規模企業白書でちょっと面白いアンケート結果があります。

1)販路開拓のために何に取り組んでいるか? 2)実際には何に取り組んで売上が増加したか? という設問に12の選択肢から選ばせています。1位から12位までの順位です。

 

1)何に取り組んでいるか・・の1位は「新規顧客への直接訪問・売り込み」、2位は「対面販売での説明や接客の充実」です。

ところが、2)実際に何が効果あったか・・では、「新規顧客への直接訪問・売り込み」は9位、「対面販売での説明や接客の充実」は11位でした。

 

そして、実際に効果があったか・・の1位は「営業能力の高い人材の新規採用」で、2位は「既存技術やノウハウを活かした新商品・新サービスの開発・投入」です。

 

このアンケートは示唆に富んでいます。よく検証したほうがいいと思います。

 

特に、「新規顧客への直接訪問・売り込み」が売上増加につながる割合は意外に低いということは承知しておいたほうがよいでしょう。

一方で、営業人材を新規に雇用すれば効果はあるでしょうが、その余裕を持った事業者は多くありません。結局のところ、「市場分析をおこなって、新商品・新サービスを開発して投入する」ことが、販路開拓・売上増加の王道であるということです。