「多数決で決めることが民主主義ではない」

池上彰さんのテレビ番組の広報で何度も何度も言っています。なんか変だな?

 

テレビで池上彰さんの番組を宣伝するのに、「多数決で決めることが民主主義ではない」と連呼しています。何の番組か知りませんが、偶然に何度も耳にしてしまいました。

これは池上彰さんの言葉ではなく、この宣伝をつくったテレビ関係の人の言葉でしょう。その人が、「多数決で決めることを民主主義という」と理解しているという意味ですね。そして、自分が思っているからみんなも思っているだろうと想像しているということです。

 

しかし、そもそも”民主主義=多数決で決めること”と思っている人や、「民主主義」という言葉をそういう意味で使っている人は、そんなに多くは無いと思います。と言うか、ほとんどいないのではないでしょうか?

 

安保法制の審議のなかで、反対派の野党とか学生団体は「多数決で決めることは民主主義を壊す」と表現していました。「民主主義」を少数意見を反映することだという意味で使っています。

逆に政府与党が普遍的価値のなかでいう「民主主義」は、支配者や政党による独裁を否定する意味で使われますが、多数決で決めることとあまり関連がありません。

ちなみに、華やかな軍事パレードで独裁政党創建の周年をお祝いした国の名前にも「民主主義」が使われてます。

 

テレビで何回か聞くと、「民主主義=多数決」と刷り込まれる人が出てくるのではないかとちょっと思いました。テレビCMでは集中して観ていないのに印象的なフレーズだけが頭に残って、一種のサブリミナル効果になります。ちょっと、嫌だなと思いました。