水災で危険なのはソーラーパネルだけではない

東日本水害と天津の爆破事故を関連づけて訊ねられました。はい、水災で火事の危険もあります。

 

水に濡れて発熱したり発火する物質はたくさんあります。洪水のときに、工場や倉庫が被災して火事や爆発になることはないのか?という質問でした。

 

もちろん、そういう危険は大いにあります。アルミ二ウムやナトリウムのように爆発の危険があるものや、シアン化合物のように可燃性ガスを発生させるものを製造・貯蔵している工場などは、注意が必要です。

 

過去の事例は少ないのですが、河川が氾濫した工場が浸水して、貯蔵していたリン化石灰が発火した事例。めっき工場が浸水して、青酸ソーダが流出した事例などが、国内でもあります。

危険物を取り扱う事業所では、水災に襲われた場合にどうするのか、予め対策を講じておかなければなりません。油断大敵です。

 

地球温暖化の影響があって、水害の発生確率は右上がりに増加し、想定水位を超えるような大規模水災の可能性も高まっています。パレットを何枚か引いて、品物をかさ上げして安心するなんてことが無いようにします。確実に、水災から免れる方策をとります。

それぞれの事業者が、使用している危険性物質の水災危険をシミュレーションして、対策を考えていくことが望まれます。

 

また、今回の水害のニュースで気になったのは自動車です。

過去の統計で、水害での死者の30%はクルマのなかです。死因の多くは「溺死」です。

自動車が水に浸かると、ドアが水圧で開かなくなることがあります。窓も大抵は電動で開閉しますから作動しなくなります。マフラーより深い浸水の場合は、エンジンが掛かりません。

 

また、放置された自動車は、救援の妨げにもなります。水災時の自動車移動は要注意です。さらに、水深が60㎝くらいになると、自動車は浮いてしまします。前回の山口豪雨でも浮いて流された自動車が路肩の低いところにたまっていました。

自動車は便利ですが、水災の場合には限定的な使用に止めるべきでしょう。