水害時は太陽光発電パネルによる感電に注意

鬼怒川の堤防決壊のニュースでは太陽光発電もいろいろと話題になっています。

 

ニュース映像を見ると、太陽光発電所が浸水したり、太陽電池パネルが流出したりしています。壊れている、特に濡れている太陽電池パネルには触ると感電する危険がありますから、近づかないでください。

 

『人は動きが無いモノに危険を感じにくい!!』ので要注意です。

太陽電池パネルは、当然ですが、光が当たると発電します。(設置するときは遮光シートで覆っておこなっています。)

  

陽電池の一つのセルは0.5Vくらいの電圧です。乾電池の1.5Vより、ずっと弱くて安全です。これを直列に50~60枚くらいつないだものが、ソーラーパネルです。イメージは乾電池を20個直列につないだもの。直列につなぐと、電圧は加算されますから、30Vくらいになります。まだ、何とか安全です。30V以上になる場合は、保護具(絶縁手袋など)が必須です。

感電して、死に至る可能性がある電圧は42V(死にボルト)と言われます。身体が濡れているなどの条件が揃えば42Vでも命の危険があると言うことです。

 

さて、このソーラーパネルを直列につないだものをストリングと言います。

太陽光で発電した電気を送電するには、そこまで流れている電圧より高くする必要があります。家庭用であれば、100V以上に上げなければ送電できません。この場合、30Vのソーラーパネルを4枚つなげます。この時点で、死に至る危険があります。

尚、太陽電池は直流なのでパワーコンディショナー(通称:パワコン)と呼ばれる変換器で交流に変えて、電圧も調整して送ります。

 

さらに大型の太陽光発電所では、高圧とか特別高圧とかの数千Vの電圧で送電します。太陽電池をいっぱい直列につなぎます。すごく危険です。ついでに、直流は交流と違って安全だという誤解がありますが、どちらも同じように危険です。

 

太陽光パネルは、太陽が当たれば勝手に発電します。災害によってパネルの絶縁が破壊されている可能性があります。水に浸かっていたり、濡れていたりすると明らかに危険です。

 

災害時には、ソーラーパネルには近寄らないようにしてください。また、パワコンなどの機器類や電線なども危険です。近寄らずに、専門業者に連絡してください。