地方の中小製造業は儲かる・・はず

土地公示価格で比較すると、山口県は東京都の10分の1以下です。

 

東京都もいろいろなので、平均での比較です。

簡単に言えば、山口県なら新しい工場をつくるときに東京より10倍広い土地を使えるか、10分の1の投資で済みます。実際は、国の政策もあるので、もっと大きな差があります。

製造業では土地という資産は必須ですから、これだけでも競争力が段違いです。

ちなみに、山口県より明らかに地価が安いのは、青森県・秋田県・山形県の3県だけです。

 

ちょっと事情があって、地方の儲かっている中小製造業の記事を紹介している冊子のバックナンバーを閲覧しました。

 

儲かっている製造業は、地域の特徴を活かしています。山口県には山口県の、他の地域には他の地域の、他所の人があまり気付いていない特徴があります。そして、独自の特徴があるので、独自の情報があります。

みのもんたが司会をしている「ひみつのケンミンSHOW」という番組がありますが、狭い日本ながら県民性は多様です。この番組は、10年近い長寿を誇っています。

 

ところが、そこに住んで人にはそれが独自の情報なのか、日本中に知られている情報なのかが気付きません。その独自の情報に価値があることに気付いた会社が、製品にすることで成功しています。

 

海に近く風の強い地域があります。そこで、屋外で使う部品が塩害に負けないようなちょっとした工夫をしています。でも、この工夫は他の地域でも価値があります。

朝晩の気温に大きな差がある地域もあります。機械の精度を維持するために温度を保つ必要があって、改善をして使っています。この改善部品を販売すると全国に普及します。

 

最近の食品製造業ではもっと顕著です。昔から地元の人しか食べなかったものが、あっという間に全国区になった例は数多くあります。農産物を中心としたその地域の特産品を活かすことです。そのときに、その地域のキャラクター(ゆるキャラではなく、ゆかりの人物や伝統的な紋様など。)を使ったりすると成功確率が高そうです。

 

また、伝統的な特産品でも、発想を変えて異なる用途で成功する事例もあります。書道の筆・仏壇の金箔・手漉き和紙・・全く違う使い道が見つかったものは多いです。

 

その地方にいる人のほうが、その地域のよさに気づいていないことは多いです。

山口県でも、人材の流入やIJUターンを促進していますが、もっと人材が他所からきてくださることも進めたいですね。何かのきっかけで、”気づく”ことが大事です。