中国・天津での禁水性物質による爆発火災

中国・天津市で非常に大きな爆発事故が起こり、多くの死傷者と被害が出ています。

 

天津市は大きくて先進的な都会で、日本を含む海外企業も多く進出しています。市街は、河を中心にして美しく整備されていて、観光都市としての側面を持ちます。

その天津港で、大きな爆発火災が発生しました。今のところ、死者50名・負傷者700名という報道ですは、映像を見ると死傷者が更に増える懸念もありそうです。現時点で、爆発の原因について明解な発表が無いのですが、禁水性の物質に放水したことが要因ではないかと言うことです。

 

日本でも、今年6月に神奈川県茅ケ崎市でチタンを製造していた工場で火災が発生した事例や、昨年5月に東京都町田市でマグネシウムを使用していた工場の火災がありました。いずれも放水消火ができないで延焼が拡がってしまいました。

 

危険物のなかには、水と反応して発火したり爆発する物質がかなりあります。

消防法では第1類の酸化性固体・第2類の可燃性固体・第3類の自然発火性物質などが該当します。これらの物質の近くで火災が発生した場合には放水消火をすることができませんので、乾燥砂を掛けたり専用の消火剤を使ったりして消火します。

 

チタンやマグネシウムは、第2類の可燃性固体に該当します。同じような性質のものには、鉄粉やアルミニウムなどがあります。カリウムやナトリウムなどは第3類の自然発火性物質(禁水性物質)にあたって、もっと危険です。実験室で金属ナトリウムを取り扱った器具を紙で拭ってゴミ箱に捨ててしまって火災になったといった事故もありました。

 

こういった水を禁忌する危険物は、高機能素材として取扱量が増えています。法令を守ることはもちろんですが、思わぬ事態がおこらないようにリスク評価をきちんとして周到な対策をとります。

今回のように、他社で事故があったときはよい機会ですから、自社の安全確認をおこないましょう。