山口県の農業は下から9番目

山口県の農業生産高は655億円(2013年)で、全都道府県の下から9番目です。

 

山口県を含む下位10県を並べてみると・・

鳥取・(山口)・富山・滋賀・島根・石川・奈良・福井・大阪・東京(最下位 293億円)です。

 

この10県の農業生産におけるコメの割合を並べてみると・・ ( )は順位です。

鳥取23%(21)・山口39%(8)・富山69%(1)・滋賀61%(3)・島根38%(9)・石川55%(6)・奈良25%(16)・福井65%(2)・大阪24%(19)・東京0%(最下位)となります。

 

 

日本全体の農業生産に占めるコメの割合は21%ですから、(東京は全くの例外なのですが)どの県も米生産の割合が高くなっています。富山・福井・滋賀が、秋田(4)・新潟(5)という米どころを押さえて上位を独占しました。

コメは自由化の影響もあって価格が下がり、経営的に苦しくなっています。もともと生産規模の小さい県がコメに依存しているのはその地域の農業が縮小する心配があります。

 

山口県は日本一の工業県で、大手企業の工場がたくさんあります。そのため、工場で一定以上の現金収入を得たうえで兼業で農業をする方の割合が高いのが実情のようです。結果として、経験や手間のかかる農産物ではなく、コメの割合が高いということです。

下位10県を並べてみて、山口県は人口は東京・大阪に次いで多く、面積は島根県に次いで広いので、農業のポテンシャルは決して低くはないと思います。

 

そのモデルとして、市町村単位で最も農産物出荷額が大きい愛知県田原市を観てみます。

渥美半島の半分を占める田原市1市の農業出荷額は724億円です。なんと1市で山口県全県より多くなっています。(但し、データは2006年:行政改革で市町村単位の統計はこの年が最後だったとのこと。)

 

人口6万人の市で農業就業人口が約1万人(兼業農家も含みます)です。

一人当りでは724億円÷1万人=724万円の収入になります。

田原市の農業の特徴は、その出荷額のほぼ半分が”花き”であるということです。きく・ばら・カーネーションなどで350億円程度の産出額です。他、野菜180億円・畜産170億円と続き、コメは11億円と比率が低くなっています。野菜は主にキャベツです。

 

やはり、コメ頼みの農業から離れて、差別化することが大切だと思います。手間はかかりますが、成功している地域に学んで、山口県の農業を発展させていきたいものです。