経営理念の求め方

 会社を長く続けるためには「経営理念」が必要になります。求め方の一例です。

 

 経営理念には、いろいろな考え方があって、熱い思いを自分流に書けばいいだけです。形式的にも1000字を超えるような文章の場合もありますし、箇条書きで数行の場合もあります。

 ただ、なかなか「経営理念」を考えると言っても、とっかかりが無いと難しいものです。


 そこで、私のお薦めは、コリンズとポリスが書いた”ビジョナリー・カンパニーにするための経営理念の求め方”です。

 1995年に発売された「ビジョナリー・カンパニー」と言う本は世界的なヒットをしました。このなかで、業績のよい会社と悪い会社を18組選んで比較しました。その結果、業績のよい会社には必ず明確な経営理念があることが判りました。その経営理念の共通項から導かれる方法です。

 

 経営理念を求める方法は、次のステップです。

 1)「会社の基本的な価値観」を箇条書きにする。

 2)仮に会社の業績が悪化した場合でも、その価値観を守り抜くか自問自答する。

   残った「価値観」は経営理念と言える。


 3)「会社の目的」つまり存在理由を箇条書きにする。但し、経済的な理由は除かれる。

 4)その目的は、会社を続けたい期間(例えば100年)ずっと変わらないか自問自答する。

   残った「目的」は経営理念と言える。

 

 例としては、以下です。(設定も、YES・NOの判定も、会社によって異なります。)

 「価値観」        「業績が悪くても守り抜くか?自問自答」

 ・ 最高品質の提供     NO!  

 ・ 安全な製品の提供    YES!  

 ・ 最端技術の革新     YES!

 ・ 従業員へ最高の待遇   NO!

 ・ 地域社会への貢献    NO!

 

 「目的」

 ・ 顧客のための製品づくり NO!

 ・ 健康な社会への貢献   YES!

 ・ 新しい技術の創造    NO!

 ・ 地域従業員の雇用    NO!

 ・ 優秀な技術者の育成   NO!

 

 仮に、上のような判定だったとすれば・・

 『当社は、先端技術の核心を続けて、安全な製品を提供して、健康な社会づくりに貢献する』などの経営理念になります。実際には、これでは一般的すぎて何も伝わらないので、その会社独自の要素をきちんと入れることになります。