WBGT(湿球黒球温度)で作業管理をする

猛暑が続いていますが、人の温度感覚は気温で決まらないので、作業指針としてはWBGTという指標が用いられます。

 

WBGTは、以下で求められます。

屋内の場合  0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

・・工場の作業環境を判断するときはこの温度を使います。

屋外の場合  0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度(気温)

・・工事現場の作業環境を判断するときはこの温度を使います。

 

※湿球温度を使うのが鍵です。乾球温度が高くても乾燥していたら、水分が蒸発する際に気化熱として熱を奪うので湿球温度は低くなります。黒球温度では輻射熱を測ります。

 

労働環境における熱ストレスの評価は、このWBGTが基準になります。国際的には、ISOO7274で、日本ではJIS Z 8504で以下のように決まっています。(抜粋)

継続して仕事をしている人の場合です。

WBGT>33℃ 安静(働かない)

WBGT>30℃ 軽作業

WBGT>28℃ 中程度作業(ウォーキングくらいの負荷)

WBGT>25℃ 激しい作業(速歩きくらいの負荷)

WBGT>23℃ 極めて激しい作業(ランニングくらいの負荷)

 

WBGTが28℃を超えているなら、激しい作業は中止するか何かの対策を実施します。

30℃を超えているなら、中程度の作業も中止するか何かの対策が必要です。

33℃を超えるようなら、軽作業も止めて安静にしていてください。

 

 

猛暑の太陽
猛暑の太陽

本日13時のWBGT(屋外)です。

33℃を超えているのは全国で18か所あり。上位5地点は以下です。

1 江川崎(高知) 35.6 ℃

2 加計(広島)  34.2 ℃

3 広瀬(山口)  34.1 ℃ ・・ 岩国市の内陸部です

4 津和野(島根) 33.9 ℃ 

5 高梁(岡山)  33.7 ℃

 

中国地方でWBGTが非常に高くなっていたことがわかります。

このとき1位の江川崎は気温(乾球温度)が36.6℃ありました。今日の最高気温でも全国第2位でした。中国地方の気温も高くて、加計で35.3℃・広瀬が35.8℃でした。基本的は、気温が高ければWBGTも高くなります。

今日の最高気温が全国1位の岐阜県多治見ではこの時間の気温は36.1℃でした。しかし、WBGTでは31.7℃になっています。多治見では気温は高いのですが、体へのストレスで言えば、今日は中国地方のほうが強かったということです。

 

作業管理をされる方は、気温だけでなく、WBGTを測って注意をしてください。

WBGT計は、屋内用ですと3~5千円、工事など屋外用ですと5~10千円くらいです。