「不適切な会計処理」なのかなぁ?

会社の発表では「今回の事態」です。「粉飾決算」と、素直に言ったほうがよいでしょう。

 

言葉はともかく、全ての主要事業部で利益の水増しがおこなわれていて、その総額は2000億円というお話です。

ただし、この会社は、連結売上が6兆5千億円もあって、水増ししていた期間の営業利益も1兆円を超えています。最初に「不適切な会計処理」が指摘されたのは、インフラ部門の工事進行基準という特殊な会計処理で500億円余りの金額でした。1兆円に対する500億円(5%弱)なので、僅かな過ちという認識だったのだと思います。

 

ちなみに、「工事進行基準」というのは結構恣意的に操作することが可能です。但し、ルールに従って処理をするわけですから、小さな建設会社であっても、監査法人の会計士さんは注意をしてきっちり確認します。何年にも渡って、不適切な処理をおこなうことは通常は考えられません。

 

さて、これをきっかけにして、調べてみたら2000億円になったというわけです。

家電やパソコン、半導体の事業に工事進行基準会計は無いので、もう「不適切な会計処理」ではないように思います。

今日の新聞では、今の社長さんと前の社長さんが辞任することになるようです。

今のところ、全容が明らかではないので、来週の第三者委員会の報告が注目されます。

 

さて、話を変えて経営者に方には「会社の経営理念」をつくることをお奨めします。

その際に、必ず書くのは次の3つです。

ミッション ・・ あなたの会社が存在する理由

ビジョン  ・・ あなたの会社のあるべき姿

バリュー  ・・ あなたが意思決定するときの基準

 

中小企業の場合は、格調高い難しい言葉は必要ありません。この3つを社長が信じるままに書きます。そして、自分で毎日確認し、従業員や顧客などの関係者にも見せておくのです。

そうすれば、「今回の事態」は起こらないで済みます。