3Dプリンターがつくる近未来<2040年の新世界>

「2040年の新世界ー3Dプリンタの衝撃」(リプソン/カーマン:東洋経済)を紹介します。

 

山口県産業技術センターでは、「やまぐち3Dものづくり研究会」を組織しています。樹脂3Dプリンターに加えて、金属3Dプリンター・3Dスキャナーなど装備して研究をスタートしています。 

 

さて、2013年にアメリカで出版された本書の日本語版が昨年末に発売されています。

 

日本では2040年問題として、高齢化(3人に一人が高齢者)とか、労働人口の減少、地方自治体の消滅などネガティブなイメージが定着していますが、本書を読めば気持ちが変わると思います。

 

 

2040年の一日・・

目覚めるとキッチンから焼きたてのパンの香りが漂ってくる。3Dフードプリンターがわたしの健康状態に合わせて栄養素を配合したパンを、有名パン職人のレシピでプリントし終えたところだ。

会社に向かう途中で、建築用クレーンが基礎の上で巨大なノズルを動かしているのを観た。壁は有機的なパターンの柔らかい曲線を描く複雑な形状。豪華な邸宅がプリントされているところだ。

会社では保存しているクライアントの身体デザインファイルから、高精度の交換用臓器をバイオプリンタで製造している。最近は闇業者から安いが粗悪な臓器が流通していて社会問題になっている。

夜寝る前に小さな息子に新しい歯ブラシが必要だと気付いた、3Dスキャナーで息子の口の形状をスキャンしてピッタリの歯ブラシを家庭用3Dプリンターでプリントする。時間は約15分だ。息子に「私が小さいころは歯ブラシはどれも一緒で、インターネットで注文して家に届くのに24時間もかかったのよ。」と言うと、息子が「へぇ~、その頃は生きるのは大変だったんだね。」と応えた。

 

本書は コーネル大学工学部准教授のホッド・リプソン博士の話を、テクノロジーライターのメルバ・カーマンが書き起こしたものです。技術的な内容ですが、とても読みやすくなっています。

3Dプリンティングが、革新的なテクノロジーであり、生活のありとあらゆる分野で大きな変革を起こすことを示唆していますので、一読をお奨めします。

 

最後に、2011年のアメリカの3Dプリンティングの経済規模は17億ドル(約2000億円)ですが、メーカの半数近くが従業員10名以下の中小企業だそうです。