ペットを飼う人に飢餓対策支援のインセンティブを与える

 水曜日のブログ「ペットを飼う・ペットと暮らす」にコメントをいただきました。インセンティブ(動機付け)について考えてみます。


 闘魂さんのコメント要旨

「人口減少に怯える日本社会で、人口の代わりにペットの数が増えることで消費活動の下支えをしている。ペットフードだけでなく、関連する商品がスーパーマーケットやホームセンターで大きな一角を占め、ペット育成ビジネス(ブリーダー)やペット専門の葬儀などど、大事な消費市場になっています。ペットに使うお金の一部でも世界の困っている子供たちに回せれば、もっと素晴らしいのでしょうが、これは日本の消費拡大には直接プラスとならず、この拡大にはもう少し別のインセンティブが必要でしょう。」

 

 これを受けて、インセンティブについて考えます。インセンティブは「動機付け」と訳されることが多いのですが、「意欲を引き出すために外部から与える刺激」のことを言います。


 ここで、「国内消費を拡大し雇用を創出するという経済的な側面、癒しによって高齢者の生活の質を向上するなどの社会的な側面からペットを飼うことは推奨したい。しかし、一部に適性を欠く飼育者が存在して社会問題になっている点、世界に残る飢餓に対して飽食であることのあって、ペット飼育を抑制したい。」という社会的な合意が成されたと仮定します。

 

 この場合に、最初に思いつくインセンティブは『ペット税』を掛けることです。

 ペットも生活しますので社会に負荷を掛けますし、一般に担税力のある人が飼育していますからヨーロッパなどでは一般的です。

 

 例えば、ペット1匹あたり月に100円程度になるように税を賭けるとしてらどうでしょうか。徴税方法はいろいろあるでしょう。ペットフード税を賭けてもいいですし、狂犬病予防の際に登録税のようなものでも構いません。そうすると、犬猫の2200万匹だけとしても年間300億円ほどの税金が集まります。

 但し、この税金を目的税とします。世界の貧困層に対する日本からの支援金にのみ充当させて、ほかの用途に使わないことにします。(貧困国の児童の給食費として使うとすれば、700万人分に相当します。)さらにペット税を支払うと、領収書に支援をしてもらった子供たちの写真と代表からのメッセージが記入されているなんて、どうでしょうか?

 

 ペット税をとるから、ペットを飼う人が減るでしょうか? それとも、海外の子どもたちを支援したいと思って、逆にペットを飼う人が増えるでしょうか? そして、日本の社会はよくなるでしょうか?それとも・・?

 例えば、税額基準が300円だったら?500円だったら?・・・


 経営においては、顧客や利害関係者に適切なインセンティブを与えることは重要です。但し、その与え方は難しくて、思ったような結果にならないことが多くあります。

「町内の掃除に欠席する人に2000円の罰金を取るというルールを決めたら、欠席者が大幅に増えた。」などは、よく経験することです。

 営業一課は10人の課員がいます。課長が、「業績第一位の人には10か月後に10万円の賞金を出す。」と言ってがチームの成績は大して変わらなかった。営業二課長は、5人ずつを2つのグループに分けて「毎月、業績が上回った側のグループに1万円の賞金を出す。」と言ったところチーム成績が大幅アップになった。・・など同じ大きさの刺激でも、結果が異なることもよくあります。

 どういう対象で、どういう範囲で、どんなタイミングでインセンティブを与えるのかが、経営者やマネージャーの腕の見せ所です。