日経新聞の「やさしい経済学」は役に立ちます

平日の日経新聞には、真ん中あたりに「経済教室」というページがあります。

 

このページの構成は、主題の「経済教室」がページの半分ほどド~ンとあります。その下に「ゼミナール」と「時事解析」、左側に「やさしい経済学」という配置です。

 

「経済教室」は旬なテーマを学者さんが講義してくれています。昨日(4月10日)であれ、「農業再生と地方経済(岡本/元日大教授・石井/筑波大教授)」です。大規模水田区画・直播方式・ICT導入・在村通勤でコメ生産の低コスト化・高収益化が期待できると言う内容です。

「ゼミナール」は外部シンクタンクなどによる連載コラムで、同じく昨日は「変わる企業経営」というテーマで戦後の賃金報酬制度の転換について解説しています。

「時事解析」は記者の連載解説で、昨日は「認知症対策の課題」で自宅療養を地域が支援する仕組みについて情報提供しています。

 

さて、「やさしい経済学」ですが、普通は学者さんが経済学の理論を解説しています。「経済教室」との違いは、比較的普遍的なテーマを、ある程度までは確立した理論で組み立ててくれることです。また一回の文章の量が少なく読みやすいのですが、テーマ7~8回×数人のリレー連載なので、まとめれば内容が深くて、関連して知りたいことがよくわかります。

ひとつ前の連載は、「環境と向き合う」というテーマで、環境経済学の解説でした。頭の整理になりましたし、講演で話すときにはとても参考になりました。

 

ところで、現在の連載は「アベノミクス再考」というテーマです。学者さんではなく、日経新聞編集委員の前田裕之さんが担当されています。アベノミクスの考え方やそれを裏付ける経済理論、またそれに反対する経済理論やその時代的な変遷の解説です。ただ、現在進行形の事象に対する解説なので、少々歯切れが悪い感じが否めません。

面白くは読んでいるのですが、本来の「やさしい経済学」の欄とは、少し趣が異なっていて、ちょっと向かないテーマのように思います。