ベテラン歌手の偽物(Fake)

年度末の番組改編期だったので、4時間スペシャルの懐メロ番組が放送されていました。

 

帰宅したのが9時前だったので、後半の部分を”ながら視聴”していました。私は最近の音楽に殆どついていけません。そもそも聴覚の老化なのか、なんて歌っているのか?歌詞が聞き取れないような状況です。

一方で、懐メロは若いときに聞いて記憶に残っている音楽なので、聞き流していても頭に入ってきますから安楽です。

 

この番組は、過去の映像をそのまま流す部分と、実際に歌手が登場してスタジオで歌う部分が混在する構成です。過去の映像が流れるところは、確かに安楽に聴けるのですが、ベテラン歌手が昔のヒット曲をスタジオで歌うところは、少々の不快感がありました。

 

と言うのは、多くの歌手がメロディーを原曲から大きくズラして歌うのです。フェイクという技法なのだそうですが、何だか気持ち悪いです。まじめに聴いていないからだと言われそうですが、大ヒット曲を記憶のなかのメロディーと重ね合わせて、お気楽に聴いていたいのです。

 

作詞家が歌手を訴えるという事件が何件か続いたように思います。自分が思い入れを持って作った歌詞を、歌手が勝手に変えて歌ったから、その曲は二度と歌わせないという主張です。

では、作曲家からメロディーを変えて歌ったらダメなんて言われないのかな?と心配になります。(自身の作曲というケースもありますが・・)

 

何故、こういうフェイクをするのか。ベテラン歌手であっても大ヒット曲というのは少ないので、どうしても同じ歌ばかり歌うことになって、同じ歌い方だと飽きてくるんだそうです。

 

その歌手のファンが集まるコンサートでは、同じ曲でも新たな発見を与えるというので、それが良いのだと思います。

しかし、私のようなテレビの視聴者は、どんな大ヒット曲でも、せいぜい年に1回くらいしか聴くことがないわけです。できれば昔のまま、原曲通りに歌ってもらいたいなぁと思った次第です。

 

こういう番組を歌手のプロモーションの場と考えると、いくら飽きてていても、我慢して原曲通りに歌ったほうがよいと思います。我々のような潜在顧客に、懐かしいなぁ、いいなぁと思わせて、CDの購入やコンサートの集客につなげるということです。

どうもフェイク(Fake)、イコール模造品・偽物という感じがして、心が惹かれません。