地下空間の利用を進めたい

 東京など都市の洪水対策として建設されている巨大な地下空間がテレビで紹介されます。


 こういう緊急貯水用地下施設(調圧水槽とか言います)の存在は、これまであまり知られるとことろではなかったのですが、震災以降の防災意識の高まりと地球温暖化に伴って豪雨の頻度が上がったことから注目度があがっています。川からあふれた泥水を一時的に貯めておくための施設ですが、地下神殿という表現がぴったりの同語んな造りになっています。こういう映像を観ると、日本の土木技術が非常に優秀であることが判ります。

 

 日本の地下空間として有名なものは大谷石の地価採掘場跡地などがありますが、他にも鉱山の廃坑や廃線になった鉄道トンネルなども地下空間です。戦争中の防空壕跡なども点在しています。

 天然の地下空間としては、当地の秋芳洞など石灰岩の洞窟や火山国日本ですから溶岩洞などもたくさんあります。

 

 地下空間は温度や湿度が年間を通じて一定に保たれるという優れた性質が知られています。これだけでも、空調にかけるエネルギーが節約できます。他にも、遮音性、防振性などは有効です。また、実は地震での被害も少なくて、防災や安全性も高くなります。また地上の景観を損なわず、周辺環境にもよいとも言えます。

 もちろん、建設時の安全性や地上に住む人との権利関係、地下の圧迫感や閉塞感などの心理的な要因など、いろいろな問題もありますが、地下空間の活用を推進していくことは有意義だと思います。

 

 日本の地下空間利用の例として、東京電力の神奈川発電所というのがあります。あの御巣鷹山の地下で建設されていて2005年から稼働している地下揚水発電所です。現在2号機まで運開で、最終的には6号機まで稼働して最大出力282万kwになる世界最大規模の地下揚水発電所です。

 地下500m、有効落差653m。使用水量510㎥/秒。という規模です。

 電力をかたちを変えて貯蔵するという意味で揚水発電所の必要性は広く知られるところになりました。期待をしています。