余分の作業指示で手待ちを無くす

 朝の作業指示は、必ず2日分以上を出しておくそうです。


  今日、ある方から教えてもらいました。


 監督者は。朝、始業時に本日の作業指示を伝達します。

 今日の作業は、「製品Aの工程1。○○の精度を確認して実行してください。」とか「製品Bの工程2。前回は△△のところに不具合があったので再発させないように。」とかです。これらは、作業指示票にも記載されて作業者に手渡されます。

 作業指示票には遵守する納期も書いてあります。「何時までに作業を終えて次工程に手渡す」とか、最終製品でしたら「何時までに完成させて、サンプルは検査課に提出」とかです。


 監督者には作業者の人数や機械の能力を知っていますから、本日の作業指示を過不足なく出すのがよいように思っていました。

 しかし、朝の段階で翌日以降に予定されている余分の作業指示もいくらか伝達しておくのだそうです。簡単に言えば、毎日2日分(以上)の指示を出すのだそうです。当然、翌日分は翌日に翌々日分と一緒に改めて指示をするので、同じ指示を2回することが必要になります。何だか、時間がもったいないように思いますが、それでもこうしているそうです。


 工場の作業では不測の事態も発生します。例えば、機械が故障したり、予定していた部品が誤って入荷したり、もしかしたらお腹の調子が悪くなったり・・です。そのときに、その機械を使わない、部品が必要ない作業指示票があれば、現場で作業の順序を入れ替えることができます。手待ちを作らないことが工場の利益を上げるシンプルな方法だと主張されます。


 納期を守るために、機械を早く修理して、一番近い納期の製品を完成させないといけないと思わない。作業の順序は、工場の生産計画のなかで最も効率がよくなるように組まれているのだから、部分的に順序を入れ替えると全体が混乱してしまうとも考えない。正規の生産計画に戻すまで混乱すると監督者の手間も増えるとか難しくも考えない。


 どうせ、一旦受注したものは必ず製造して納品させなければならないのだから、仕事の量は変わらない。自分で修理できない機械を眺めていても仕方ないし、部品を自分で作ることもできないのならば、シンプルにその現場での手待ちを無くすことだけに集中するほうが優るということでした。