工場の見える化で注意すること

 ものづくりの現場では「見える化」を推進していきます。


 「見える化」では、写真や絵や図を使って、ものの在り処あるべき状態、作業のやり方などを一目で分かるようにしていきます。これによって、動作にムダが無くなったり、逆に現場にあるムダを見つけやすくなります。


 但し、「見える化」にも注意が必要です。

 左の画が、トイレのドアに描いてあったとすると、大半の男性は青い標識のほうに入り、大半の女性は赤い標識のほうに入るそうです。どうも、人は画の形状よりも色に強く影響されるようです。

 つまり、男性が「青」で女性が「赤」です。


 同じように、信号では「赤」は止まれ(危険)、「緑」は進め(安全)です。

 では、工場の操作盤の表示ランプが「赤」のときは、機械が動いていることを示しているのか、止まっていることを示すのか?どちらでしょうか。

 「赤」は止まれだから動いていない? それとも、機械が動いているのは危険の意味で「赤」なのでしょうか。

 この答えは工場によって異なります。その工場を作ったときに、どちらかに決めたかで決まります。つまり、どちらもあり得るのです。

 このため、合併などの事情で複数の工場を持つことになった会社では、各工場ごとに表示の仕方が異なるようなことが起こります。運転員が転勤などで異動すると、戸惑います。


 「見える化」はとても重要な活動なのですが、意外にこういう事例は多いものです。思わぬトラブルの素になることがありますから、よくよく注意をする必要があります。