エコアクション21フォローアップセミナーでの事例報告から

 今日のセミナーで建設設計業の会社さんからの事例報告がありました。


 エコアクション21(EA21)は中小企業向けの簡易版の環境マネジメントシステムです。

 ISO-14001との大きな違いは、EA21は環境省が主催する国内向けのシステムであり、審査人が審査だけでなく指導もできるので、社内に専門部門が無い中小企業でも取り掛かりやすいことです。

 

 今日は、山口・福岡・岡山の4つの地域事務局(EA21の認証機関)合同で、EA21取得企業向けのフォローアップセミナーが山口市で開催されました。そのなかで、建設設計業の会社さんからの事例報告がありました。

 素晴らしい活動報告で、本業の建設設計のなかの環境配慮や、仕事柄大量に発生する設計資料などの紙廃棄物対策、事務所や移動用車両の省エネなど、ユニークな活動を報告されました。

 

 エアコン設定を1℃変えれば電力消費量は10%減るとは言っても、環境活動は我慢大会ではない。仕事の効率を10%上げて早く帰宅できるなら、そのほうが良いのは当然。

 現場での打合せが土木と建設で分かれて週に2回やっていたのなら、週1回の正式な「工程会議」として設定して土木も建設も同席した会議にすれば仕事もはかどる。この提案は、1台の自動車に2人乗れてエコだから気づいたこと。

 このように環境保全のメリットを社員に具体的にアピールして、モチベーションを高めると同時に本業の業績につなげておられます。

 

 更に好いなと思ったことがあります。

 製造業や建設業のEMSでは「環境配慮型商品」とか「環境配慮型設計」の件数を目標に挙げることが多いと思います。この会社でも最初は同じように取り組まれていたのですが、設計で環境配慮するのは当たり前ではないか。全てのプロジェクトに共通してできることを考えるべきだと変わったそうです。

 そして、最初に着手したのが設計のために現場調査に出掛けたときにゴミを拾って帰るようにすることでした。社用車に予めゴミ袋を積んでいて、持ち帰ったゴミを写真に撮っているそうです。

 えっ、ゴミ拾いと思うなかれ、こうして現地の様子を子細に把握したことが創造性につながり、良い設計をすることになって、よい業績をあげることになります。