完全生分解性プラスチックへの期待

 プラスチックは安定なので、海洋生物の生態に影響を与えます。では生分解性プラスチックは?


 まず、生分解性プラスチックにも「完全分解性プラスチック」と「部分分解性プラスチック」があります。「部分分解性」のものは、大半が生分解によって水と炭酸ガスに分解されますが、普通のプラスチック粉末が残ってしまいます。農業用フィルムなどで、半年後にはこんなに分解されていますという写真を示している商品には、この「部分分解性」のものがあります。ちょっと注意です。

 

 似たような言葉で、「バイオマスプラスチック」というのがあります。植物由来の原料からつくるプラスチック(普通のプラスチックは石油からつくる)ですから、カーボンフリーですが普通は「生分解性はありません」。バイオPETとかバイオPEとか言われる商品です。

 

 したがって、バイオマスプラスチックで且つ生分解性がある商品が環境に最も優しいわけです。実際に生産することは技術的には可能です。バイオマスは栽培植物だけでなく、食品残差(生ゴミ)を利用するようなものもあります。


 大きな問題は、プラスチックの利点である「安価」「安定」「機能」で、この生分解性プラスチックは劣ることです。価格は4~5倍で、生分解するので安定ではなく、電子レンジでチンなどもできません。

 

 それでも、生産される石油由来のプラスチックのかなりの部分が環境に放置されているのが現状です。プラスチックのリサイクル・リユースやごみ回収システムが確立されていない国や地域はまだまだ多いです。海洋への流出だけでなく、ゴミ集積場に積み上がったままになっているものを含めると生産量に対して20%が環境に放置されているという人もいます。


 完全生分解性プラスチックの商品化は2000年前後にブームがありましたが、少し下火の印象です。革新的な商品が出てきて、市場が拡大することを期待しています。