海洋プラスチック汚染の実態が少しづつ判ってきています

最新号の「海洋と生物」に最近話題の海洋プラスチック汚染が特集されています。

 

プラスチックを使わない生活は全く考えられません。使ったプラスチックは、いろいろなルートで海に流れ出ていきます。釣りや養殖用の浮きなど、最初から海で使われるものもあります。

 

そうしたプラスチックは、どんどん微細化していきます。この微細化したプラスチックが海洋を汚染していることが判ってきました。 

 

プラスチックにはいろいろな化学物質が添加されています。もちろん使用中は安定ですが、極めて細かく砕かれた後は生体内に取り込まれます。微細なプラスチックは、POPs(残留性有機汚染物質)を吸着していきます。この影響で、海の生物(プランクトンなど小さなものから、魚や鳥、海獣にいたるまで)に影響が出ていることが判ってきています。食物連鎖の頂点にある人間にももちろん何らかの影響があります。

 

海洋プラスチック汚染の実態はまだ十分な調査が完了していません。プラスチック濃度が非常に高いホットスポットも見つかっています。また、いわゆる環境ホルモンの効果という長期間かけて生体に影響が出てきますから、因果関係や責任の特定も難しい問題です。しかし、「子孫から借りている地球」と考えて、早急にその実態を明らかにして警告していくことが求められています。