ブラザー工業の家庭用ファックスと猫のおしっこ

今朝の朝刊社会面の下、お詫びやお知らせが掲載される位置にカラーで告知がありました。

 

『ブラザー工業が2000年から2005年に生産した家庭用ファクスで、構造上、猫が製品に乗って繰り返し排尿すると、まれに発火に至ることがあるので無償点検を実施している。製品を使用中に、猫と一緒にお住まいのお客さまは、専用窓口まで連絡ください。』という内容の告知です。

 

猫は暖かいところを好むので、ファックスなど電子機器の近くで丸まっていることもあるそうです。しかし、電子機器に向かって繰り返しおしっこをするのもどうかと思います。

ここまで、製品設計で想定するのは、かなりの想像力が必要な気がします。使用者側の責任ですよね。

 

でも、この告知は「猫のおしっこ」にかなりインパクトがあって、ブラザー工業のまじめな社風がよく表れています。最近の食品関係のトラブル対応を考えると、「猫のおしっこ」専用窓口まで設置しているのは、とても印象が良いです。

 

これとは直接関係ないのでしょうが、ブラザー工業は好調です。

今期決算は過去最高の利益を計上する見込みです。ブラザーは、とても堅実な会社で、地道に業容を変化させて環境に適応しています。

 

我々より上の世代で言えば、ブラザーとはミシンの会社です。しかし、今はミシンの売上は全体の7%ほどです。ミシンの技術を応用して、戦後はタイプライターを作りました。私が高校の頃には、ブラザーのタイプライターを英語の勉強に使うというが流行したこともあります。

これが、電子タイプライターやプリンター、ファクスなど情報通信機器事業に発展しました。変わったところでは、日本で初めて通信カラオケ事業を展開して、今も着実な利益を生んでいます。 

 

更に、現在のブラザーの大きな利益源は産業機器です。スマートフォンなどIT機器のボディーを削る小型のマシニングセンターが好評で大きな利益を上げています。

<当期の予想:売上高7000億円 純利益510億円  前提は105¥/USD>

 

製造業の経営戦略、発展の過程として、とても勉強になる会社です。