今年は「朔旦冬至」 ・・ なんてポジティブなんだろう

12月22日は冬至ですが、19年に一度の「朔旦冬至」で、とても御目出度いことだそうです。

 

テレビ朝日の「林修の金曜ことば塾」で林修先生(「今でしょ!」の方)が話していました。今年の冬至は19年に一度の御目出度い「朔旦冬至」です。

中国では古来より「朔旦冬至」を盛大にお祝いしていて、日本でも784年に桓武天皇が儀式を執り行って以降、1000年に渡って皇室の行事として行われていたそうです。

 

古来、こよみは月の満ち欠けを元に作られました。ちょうど29.53日の周期で刻まれるひと月は、世界中で人々の生活のリズムとして根付きました。

「朔」は太陰暦の「一日」のことで、つまり月が出ない「新月」の日のことです。「旦」は元旦の旦と同じで「朝」のことで、「朔旦」は陰暦の11月1日の朝を意味します。(冬至を含む月が11月になります。)

 

一方で、夜が最も長い冬至と昼が最も長い夏至は1年のなかで最も重要な日とされました。

吉野ヶ里など弥生時代の遺構では、冬至の日に太陽が沈む位置と夏至の日の日ノ出の位置を結ぶ線に沿って祭礼の施設が並んでいます。

 

月の周期は29.53日で太陽の周期は365.25日ですから、月の12カ月と太陽の1年が10.89日づつずれます。これを、3年に1度の閏月で調整します。

このため、11月1日が冬至に当たるのは19年に一度になります。・・更に言えば、これも微妙にずれていって5回めの「朔旦冬至」(つまり95年に一度)はおよそ1日遅れます。

ここまでルールで決められないので、こういうときは「改暦」を宣言して無理やり合わせます。・・

 

つまり「朔旦冬至」は、1年のなかで太陽のエネルギーが最少且つ、1月のなかで月のエネルギーも最少という二重に元気のない日ということになります。

しかし、逆に考えるとこの日よりエネルギーが下がっていくことは無いわけで、この日を境に、太陽と月両方のエネルギーが満ちていくのです。19年に一度の「大復活の日」であるとも言えます。そこで、これを大変目出度いと言って盛大にお祝いするのです。

 

とてもポジティブな考え方だと思いますし、古代の人々の健気さが伝わるような気がします。