イノシシによる被害が増えている

日本でイノシシによる農作物への被害金額は平成24年度に年間62億円ほどでした。

 

山口県でも、市街地近くでイノシシによる農作物の被害があります。

 

これまで一度もなかったのに、今年初めて被害を受けたという話を聞きました。イノシシは初日は1頭だけできますが、次からは群れできて、かなり広い範囲でも数日で掘り返したそうです。

 

有害鳥獣による農作物への被害は年間230億円で、シカの被害が最も大きくて年間82億円です。シカの被害の7割以上は北海道ですから、私たちには実感が薄いです。一方で、私たちに身近なイノシシの被害は年間62億円で、そのうち6割が中四国九州で発生しています。

 

イノシシの捕獲頭数は昭和の時代は年間数万頭だったのですが、近年は年間40万頭を超える水準です。それだけ、イノシシが人の住む領域に近づいています。

 

私は、その原因が山に餌が少なくなったからだと思っていましたが、それは誤解だそうです。本当の原因は、人間が消極的に「餌付け」をしているからとのこと。現在は、放任されている田畑や果樹園、趣味の家庭菜園などがたくさんあって、山で餌を探すよりイノシシにはご馳走が簡単に食べられます。これが習慣化して、イノシシはどんどん人に慣れてきます。また、栄養もあるから繁殖率も高くなって、子供もよく育ちます。

 

つまり、イノシシ被害を減らすには「餌付け」を止めることです。

耕作放棄地にエネルギー作物を植えてバイオマス発電に利用することは大きな可能性がある事業ですが、これも新たな付加価値になりそうです。