5SやIEは、ムダ取りができる現場を作ることが目的です。

5SやIEとは、現場から余裕を奪うことで生産性を上げるわけではありません。

 

5Sは「よい仕事よい品」の基本です。

5Sが出来ていない現場は、働く人の士気が低くて規律が不十分な職場ですから、不良品の発生や納期遅れが頻繁に起こります。

お客様がそんな現場を見ると、購入しようという気持ちが失せます。また、それ以前に危険で労働災害の原因になります。

 

 

IEは「時間分析」「動作分析」をおこなって、作業能率を高める手法です。人も機械も、ムダに止まっている時間を減らし、価値を生まない移動や運搬を減らすことを目的とします。

 

5SもIEもマネージャーが間違った使い方をすると現場からムダでなく、余裕を奪うことになります。と言うのは、ムダというのは無限に存在し、無限に発生します。カイゼンの機会はいつまで経っても無くなることはありません。

 

5SやIEの本当の目的は、「ムダを排除して、カイゼンのための十分な余裕を与えること」です。つまり、5SやIEは「ムダ取り」ではなくて、「無限にあるムダ取りができる現場」を作ることです。

 

そもそも会社では社長を含むマネージャーやスタッフ・研究者というのは、お金を生み出しません。儲けは現場(だけ)が生むことができます。

 

よく出来るマネージャーに「ムダ」とは何ですか?と質問すると、「お金を生まない時間や行動です」と答えます。では、「あなたはムダですね?」と尋ねると、どうでしょうか?「私の役割は、現場のムダが増えることを防いで、カイゼンを進めていくことです。」と答えると思います。

 

5SやIEは、現場自身が「現場のムダが増えることを防いで、カイゼンを進めていくこと」ができること。現場が、生産にも品質やコストにも責任を持って仕事ができるようにするためにあります。マネージャーが、その支援をより高い水準でできるようになると強い会社になります。