在庫問題・・在庫は悪か?必要か?

本社から「在庫は悪」「お金を眠らせるな」と現場が叱られるというのはよくあること。

 

「在庫」とは、「倉庫に在るもの」と書きますから、確かにムダのように思えます。放っておくとドンドン増えていく性質を持っているのも事実です。

しかし、在庫を売ることでしか、収益は上がらないので「在庫は悪」というのは言い過ぎです。通販会社が在庫を持たないのは例外的なことです。

 

組み立て製品のメーカーに「無在庫経営」を標榜している会社は多くあります。総じて業績も改善しています。但し、これは「完成品の無在庫経営」ですので、在庫が無いわけではありません。ジャストインタイムをはじめとする、生産システムを整えて、仕掛在庫の種類と量を適切に管理しているということです。

 

診断士が経営診断をする際にも、在庫率や棚卸資産回転率を気にします。在庫モデルは、OR(オペレーションズリサーチ)の基本課題です。

 

ただ、ここで評価しているのは在庫金額です。しかし、在庫はモノなので、現場では個数とか大きさとか重さといった視点も必要です。これを巧くマネージメントする手法がなかなかありません。

 

在庫を減らせという本社も、在庫は必要だという現場も、両方正しいのです。双方が、在庫の機能を正しく理解して、協力して活用することができれば、会社の業績は向上します。