温室効果ガスの測定精度

温室効果ガスである二酸化炭素やメタンの大気中濃度の観測値には、精度と信頼性が求められます。

 

地球温暖化の速度を予測するには、温室効果ガスの世界各国のエネルギー使用に伴う排出量や海洋への吸収など地球規模での収支の信頼性を評価するために、大気中濃度を正確に測定することが必要です。また、排出権取引やバイオ燃料による二酸化炭素の固定の認証などは経済に直結します。

 

現在の大気中二酸化炭素の年間増加量は約40億トンです。

これは、濃度の増加では約2μmol/molに当たります。したがって、誤差5%で測定するには0.1μmol/molという高い精度が必要です。

地球規模の大きな問題ですが、分析の世界では非常に精密な課題になります。

 

国際度量衡局(BIPM)と世界気象機関(WMO)は協定を結び測定精度の向上に取り組んでいます。日本でも産総研を中心に大気観測用の標準ガスの開発が進められています。