就活と七五三(早期離職が増えていく)

大学生の夏休みはインターンシップなど就職活動の時期です。今年の就職状況はかなりよさそうです。

 

学校は「就職率」の高さを宣伝しますが、今年は企業業績の回復を受けて就職率はとても高くなりそうです。しかし、せっかく就職しても早期離職の割合が高くなっては、ちょっと困ります。

 

「七五三」は、中学から就職した人の七割・高卒の五割・大卒の三割が、三年以内に離職するという意味です。最も最近である平成22年3月に卒業して就職した人の三年離職率は、中卒62.1%・高卒39.2%・短大卒39.9%・大卒31.0%でした。「七五三」でなくて「六四三」ですね。

但し、この数字は近年では、かなり低い水準です。

 

今の30歳くらい、平成16年3月卒業の方では、中卒69.7%・高卒49.4%・短大卒44.8%・大卒36.6%でした。「七五四」です。

 

 

さて、この違いは何かと言うと、日本のGDP成長率は平成15年が1.69%に対して、平成21年は▲1.45%でした。つまり、GDP成長率と早期離職率はきれいに負の相関があります。

つまり、好景気のときほど早期離職率は高まるということです。

 

早期離職は本人のキャリア形成にあまり貢献しないですし、企業は採用や育成のコストが無駄になりますし、社会的な成長にもマイナスに働きます。多くの新人が入る大企業は歩留まりで考えられますが、中小企業の場合はせっかく採用した大事な人材です。

 

今年は、よく対策を考えておく必要があります。