今さらQC? 今こそQC!

私たちが会社に入った頃には、「QC」と書いて「くるしい」と読むと言われました。

 

当時(私の入社は1984年)はQC活動(TQC活動)は全盛期でした。
会社でも、デミング賞を目指した品質向上活動と、QCサークル活動を通じた品質改善活動が並列で行われていました。工場の若手は、時間のかかる調査や計算、資料作りを連日していました。
その後、バブル崩壊を経て、ISO-9001ブームが到来してQC活動は衰退しました。QC活動と言うと、「何を今さら、古臭い。」という反応が帰ってくるのは普通です。


しかし、QC的なものの見方や考え方。つまり論理的思考と統計的解析を基準にしたものづくりは、より複雑になった現在の製造業では一層大切です。新たなQC活動の発展が日本のものづくりを助けることになると考えます。


ISOマネジメントは、客観的な評価によって外部機関のお墨付きを得るというハードルがあり信用が大きく、正しく運用すれば企業業績の向上につながります。ただ、顧客によい顔するためとか、受注や入札を有利にするために構築するという動機付けも多く、「ISO」には「愛想」という部分があることも否定できません。

何より、ISO活動は規格で枠にはまっているので、あまり「くるしい」活動ではありません。

 

「楽」だからいけなという訳でないのですが、関係者がみんなで「苦しんで産みだす」ものには価値があるように思います。ほんとうによい品をつくり、保証するためには、このところ避けていた「くるしい QC」活動を復活させることが有効かも知れません。