再生エネ買取制度の見直し報道<ちょっとおかしい>

再生エネ買取(FIT)価格の引き下げが話題になっていますが・・・ 

 

 8日の読売新聞社説を要約すると、「日本のFIT価格は欧州の2倍以上とあまりに高い。家庭と企業の負担総額は、今後20年で38兆円に上るとの試算がある。買い取り価格を早急に引き下げ、電気料金の上昇を抑える必要がある。FIT価格の改定頻度を増やし、「総量規制」の導入してはどうか。上限を超えた電気の買い取り義務を撤廃し、自由な価格で売買を認めれば、発電コスト軽減に向けた企業努力を促せるはずだ。

 

とても真っ当なお話だと思いますが、ここで言われている再生エネは、太陽光発電のことです。現在稼働しているFIT発電設備の99.98%(件数)が太陽光発電です。出力基準でも太陽光発電が97.35%を占めます。太陽光発電は、もともと技術の蓄積が豊富であったことに加えて、急速な普及で革新的な商品や仕組みが数多く提案されています。つまり、FIT価格全体を引き下げるのではなく、太陽光発電の買取単価を見直すことには合理性があります。

 

一方で、技術的課題の大きい風力・水力・バイオなどは、導入が大幅に遅れています。逆にFIT価格を上げてでも参入者を増やして、技術開発を促進して、将来的な経済性を高める必要があります。

注目されるのは、バイオマスです。日本の食料廃棄物は年間1800万トンと言われています。家畜糞尿・下水汚泥・森林廃棄物など利用可能なものも発電に使えます。利用可能なバイオマス発電だけで、現在の火力発電と同じ量の電気を作ることが理論上は可能です。

 

コストが合わないだろうですって?

新しい火力発電所を一つ作るには、建築費以外に漁業補償や環境対策など、3000億円くらいはかかるでのですから、考えてみる価値はあります。