烽台守は遠足で鍛える。山陽小野田市の竜王山

昨日今日と、花散らしの雨風で当地のお花見はシーズン終了です。

 

先日、桜が散る前に山陽小野田市の竜王山に行きました。竜王山には、ソメイヨシノがほとんどで、ヤエザクラ、ヤマザクラと合わせて約1万本の桜があるそうです。サクラの本数では山口県随一と思います。ソメイヨシノがほとんどではあっても、山の四方にあるので、日当たりのよい暖かい場所から順番に咲いていくので、割合に長い期間に花が楽しめます。

 

烽火
烽火

竜王山公園からの眺めは「日本の夕陽百選」に選ばれているほどで、眺望も抜群です。

竜王山の山頂には「烽(烽火:とぶひ)」が復元されています。

 

烽は中世から近世にかけての通信手段です。狼煙(のろし)のことです。

 

山口県では、西から下関市の火の山→津布田の火の山→竜王山→宇部岬→東岐波の日の山→秋穂の草山→日地山→防府の飯ノ山→・・とノロシのリレーをしていったようです。

 

火や日や飛のつく山(火の山、火山、日の山、日山、飛の山、飛山)や竜王山という山名は、かつて烽台が設けられていた山ということです。中世では、烽は重要な通信手段で、山口県の瀬戸内海沿岸の烽は、都から大宰府までの連絡手段としてとりわけ重要だったようです。

 

不思議だったのが、竜王山の山頂からは関門海峡がバッチリ見えます。下関の火の山も海を隔てているだけなので遮るものがありません。津布田の火の山は必要ないように思えます。

 

実は、烽台は原則として道中五里半毎(22㎞)毎に設置すると決められていたそうです。そのわけは、雨や霧でノロシの煙が見えないときには烽台守は次の烽台まで走って情報を伝える必要があったからです。

竜王山から津布田の火の山は約15㎞で、津布田の火の山から下関の火の山は約25㎞の距離です。まぁ、なんとか走っていける距離です。

 

烽台守は楽ちんで面白そうな仕事だなと思ったのですが、日々遠足(とおあし)の訓練を怠ることはできなかったということです。何事も仕事は大変です。