「賄賂」「まいない」「袖の下」は、自分に都合のいいように取りはからってもらう目的で相手に贈る金品のこと。
潔癖な人は、どのような賄賂も許されないというかも知れません。そんな人に限って、大病で大きな手術を受ける際には、医師に心付けを渡したりします。ビジネスを行ううえで、贈答・接待が重要な役割を果たしている場合はかなりあります。
贈答・接待と賄賂の境界はかなり曖昧です。特に海外とのビジネスでは難しい問題です。
私の経験からでも、海外の場合は、取引先の民間企業や仲介のコンサルだけではなく、公的機関の公務員や、規制を担当する公設機関の幹部などが、贈答や接待を要求してくるケースはかなりあります。
多くの国では公務員や公設機関従事者の報酬は安いので、言葉は悪いですがこの種のまいないが生活費になっています。アメリカなどのウエイターが、給料ではなくチップが収入の過半になっているのと、あまり変わりません。
これに対して、どのように対応するのかはまさにケースバイケースです。
アジアやアフリカの途上国でも、公務員が贈答・接待を受けることを法律のうえでは禁止しているのが普通です。しかし、法律と現実には乖離があるのも普通です。
ややこしいのは、欧米など先進国にも贈答・接待やリベートの慣習はしっかりあることです。むしろ、コミッション(手数料)などと言葉が変わり、且つルートも複雑なので、途上国よりも多額になり、面倒も大きかったりします。
その国によって、公式なルールが無い慣習ですから、適切な対応をするには、事情に詳しい人の力が必要です。
但し、これらの行為のうち、外国公務員等への贈答・接待は日本の法律でも、当該国の法律でも禁止されています。☞外国公務員贈賄罪 経産省「外国公務員贈賄防止の手引き」
このような規制を他国に強要しているのはアメリカです。彼の国の本音は、競争力の強い日本企業の排除に・・・。まぁ、この辺で止めときましょうね。