直木賞受賞作が決定。歴史・時代小説が全盛

2023年上半期の直木賞に垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』と永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』が決まりました。2作品とも歴史・時代小説です。

 

このところ、直木賞は歴史小説や時代小説が多いように感じます。2022年下半期は千早茜「しろがねの葉」、21年下半期の今村翔吾「塞王の楯」、米澤穂信「黒牢城」、21年上半期は沢田瞳子「星落ちて、なお」、20年下半期は西條奈加「心淋し川」と、2020年以降の受賞11作品のうち7作品が歴史・時代小説です。

 

2023年上期 直木賞(垣根涼介・永井紗耶子)
2023年上期 直木賞(垣根涼介・永井紗耶子)

歴史小説というのは、史実を下敷きにした小説のことです。時代小説は、その時代に題材をとった小説です。

 

山岡荘八の「徳川家康」、司馬遼太郎「国盗り物語」、和田竜「村上海賊の娘」なんかが歴史小説です。

池波正太郎「鬼平犯科帳」、藤沢周平「たそがれ清兵衛」、平岩弓枝「御宿かわせみ」などは時代小説です。

いずれも幕末明治維新より前の歴史や時代背景をもった作品をいいます。

 

直木賞受賞作をざっと眺めてみたのですが、2020年代は先に書いたように11作品中7作品が歴史・時代小説でした。

2010年代の直木賞受賞作22作品に歴史・時代小説は4作品です。2000年代は27作品中4作品、1990年代は26作品中6作品でした。但し、歴史・時代小説の定義が曖昧なのと、いわゆる空想小説はどのあたりまでが歴史・時代小説に含めていいのか、よくわかりません。

 

歴史・時代小説が多く選ばれるようになったのは、審査員の構成が影響しているのかとも思いましたが、どうも違いそうです。現在の選考委員は、浅田次郎・伊集院静・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき の各氏ですから、歴史・時代小説に偏ったメンバーではないようです。

 

結局のところ、歴史・時代小説に秀作が増えているということのようです。その理由はよくわかりません。夏休みには、歴史・時代小説で日本人の心の源を探りに行きましょうかねぇ。