3.2)秋吉台の景観を守る山焼き、面積はTDL23個分

先週山焼きがあったので、秋吉台は美しい黒と白のコントラストです。

 

美祢市のwebサイトから転載します。「秋吉台に春を呼ぶ早春の風物詩である山焼きは、昔は、伸びた雑草を燃やして新芽を育て家畜のための採草や放牧の目的で行われていました。現在は、「秋吉台国定公園」の景観を守るため、また、学術的な価値の高い自然としての「特別天記念物秋吉台」を次世代に引き継ぐため、毎年2月下旬に秋吉台上の約1,138ヘクタールに火を入れています。この山焼きにより、草原の維持、森林化防止、貴重な植物や昆虫等の生息環境保全、倒木等による石灰石の棄損を防止しています。」

 

山焼きの後の秋吉台
山焼きの後の秋吉台

ちょっと解説です。

最初の文章で、昔は牧畜飼料として草を利用するため山焼きが行われていたとあります。

昔というのは、はっきりしているのは600年くらい前の中世からですが、秋吉台では弥生時代から台上のドリーネ(窪地)で農耕がはじまっているので、山焼きももっと昔から行われていたかもしれません。

 

”行われていた”と過去形なのは、現在では農業が衰退して、草の利用もされなくなったという意味です。

現在の山焼きは、住民(農家)の必要があっておこなわれているのではないのです。毎年やっているから今年もやるといった慣性と、観光イベントあるいは観光資源の保全という目的に変わってきています。

 

東京ディズニーランド23個分という広大な面積を山焼きするには800~1000人の人手が必要です。美祢市の旧秋芳町エリアは、2000年には6500人の人口がありましたが、今では4000人余りに減っています。地元住民の高齢化と後継者不足は深刻ですし、秋吉台と地元住民の関係は少しづつ疎くなっていきます。地域外の人手に頼ることも多くなりそうです。

日本最大のカルスト台地、秋吉台の草原景観を守り続けるためには、何か新しいアイディアが必要になってくるかも知れませんね。

 

美しいカルスト台地を観に、おいでませ山口へ!