ロシア語を話す人がどのくらい減るか

言語別人口で検索すると文部科学省のwebページが出てきました。2005年時点でロシア語使用人口は275百万人です。

 

中国語(1,075百万人)、英語(514)、ヒンディー語(496)、スペイン語(425)に次いで世界第5位の言語となっています。以下、アラビア語(256)、ベンガル語(215)、ポルトガル語(194)、マレー・インドネシア語(176)、と続いてフランス語(129)が10番目です。日本語(125)は残念ながら11番目です。

 

モスクワ
モスクワ

ロシアの人口は2005年では143百万人でしたから、ロシア人以外でロシア語を使用する人が132百万人いるということです。

 

ロシア以外でロシア語を話す人が多い国は、多い順にアゼルバイジャン、ベラルーシ、中国、エストニア、ジョージアと続きます。ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、モルドバの一部はロシア語が公用語です。

 

同じく、文部科学省のwebサイトで、ロシア語の母語人口は170百万人なので、使用人口÷母語人口=1.62倍となります。

同じ計算をすると、中国語は1.21、英語は1.29、スペイン語は1.28など多くの言語は1.2~1.3倍です。日本語は1.0倍です。倍率が大きい言語には、ヒンディー語があって2.10倍ですが、こちらは人口13.7億人の国の公用語ですから当然です。

 

ソ連時代には旧ソ連圏の国々は、当然ながらロシア語が公用語です。ウクライナでもウクライナ語の使用が禁止されており、学校教育などはロシア語でおこなわれていました。したがって、ウクライナの大人世代はロシア語が使用できます。ウクライナ人の75%はロシア語で会話でき、日常的にロシア語の新聞やネットニュースを視聴しているそうです。

 

しかし、ソ連崩壊以降はウクライナを含んで各民族の母語が復活しています。ウクライナ政府はロシアによるクリミア併合などを受けて、ウクライナ語を使用する人口をさらに増やすように、ロシア語の使用を強く制限してきました。バルト3国、中央アジアの国々などでもロシア語を話す人は減ってきています。

 

今回のロシアのウクライナ侵攻は、旧ソ連圏の国々のロシア語離れを加速させることになりそうです。しかし、そうなると、例えばウクライナとジョージアの人は今まではロシア語で会話していたのですが、ウクライナ語とジョージア語では直接会話が不自由になります。そうなると、近隣で関係の深い国の間では、ロシア語に代わる共通言語が必要になるかも知れません。