BBA!少年よ大志を抱け!の続きは?

日本の都道府県で行ったことがないのは、北海道と沖縄県、青森県と秋田県の4つです。

 

下関にいた知り合いが転職して、札幌に移住しました。北海道には興味があるのですが、これまで行く機会を逃していました。さて、札幌と言えば開学したばかりの札幌農学校で教えたクラーク博士の“Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)”です。この続きは何か?と検索したら、意外な結果でした。

 

“Boys, be ambitious!”
“Boys, be ambitious!”

これがネタ元です。☞ 北海道大学 付属図書館 “Boys, be ambitious!”について

 

簡単に言うと、そもそもクラーク博士が本当に、“Boys, be ambitious!”と言ったかさえ怪しいようです。

 

札幌農学校で教えていたクラーク博士が、帰国に際して、学生たちに向って馬上から最後に“Boys, be ambitious!”と声を掛けたとされています。つまり、“Boys, be ambitious!” は、仮にクラーク博士の言葉としても、馬上で最後に「さようなら、みんな頑張れよ!」と別れの言葉を口にしただけですから、続きは無いというのが正解のようです。

 

“Boys, be ambitious!”という言葉が世に出たのは、札幌農学校の1期生で、後に山梨の甲府中学の校長を務めるなど、教育者として名を成した大島正健という方が、農学校創立15周年の式典での講演です。この講演で、大島さんは、クラークは「少年たちよ、この老人のように大志を抱け(Boys, be ambitious like this old man)」と語ったと、安東幾三郎という方が記録しています。

 

但し、札幌を離れるときに50歳になったばかりのクラーク博士が、この老人のようにと言うのもおかしいようです。また、クラーク博士を北海道開拓の父とか言うのも、滞在期間がわずか9か月足らずでしたので、過大のようです。

 

尚、中学校の英語の教科書に以下の英文があるそうです。

“Boys, be ambitious! Be ambitious not for money or for selfish aggrandizement, not for that evanescent thing which men call fame. Be ambitious for the attainment of all that a man ought to be.

(青年よ大志をもて。それは金銭や我欲のためにではなく,また人呼んで名声 という空しいもののためであってはならない。人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて)”

これは、昭和39年に朝日新聞「天声人語」欄によるもので、クラーク博士の言葉ではなさそうです。さらに、クラーク博士自身は、金銭や名声を求め続けた方で、鉱山会社を設立しながら失敗して、失意のなかで亡くなったそうです。

 

まぁ、日本の多くの少年少女に大きな影響を与えたBBA:“Boys, be ambitious!”ですから、あまり詮索せずに伝えることなんだろうと思います。