GDPは減ったが株価は上がるのはナゼ?

<本日の政府発表>2022年1月~3月のGDP速報値は、年率換算では1.0%減だった。

 

GDPは下がるのですが、株価は下がるどころか上昇しています。<今日のNHKニュース>18日の東京株式市場は、アメリカで記録的なインフレが続く中でも消費が底堅いという見方から、投資家の警戒感が和らいで買い注文が増え、株価は値上がりしました。

 

日本の株式時価総額とGDPの推移をグラフにしてみました。2008年にリーマンショックがやってきて、GDPが大幅に下がり、株式時価総額も減りました。その後、GDPが再び増加に転じるまでには、4年以上の長い時間が必要でした。

 

2020年の新型コロナショックでのGDPの下げ幅はリーマンショックとほぼ同じ規模です。その後は回復してきたものの、コロナ前の水準にまでは復活していません。しかし、リーマンショックのときと違って、株式時価総額は増加して、動きに乖離が見られます。

 

株価が動くのには、いろいろな原因があります。しかし、今回の乖離を分かりやすく言うと、国が財政規律を無視して補助金とか助成金をばら撒いた結果とまとめられると思います。

 

2020年度のコロナ予算は77兆円でした。このうち30兆円が2021年度に繰り越され、2021年度のコロナ予算が24兆円。2022年度への繰り越しは不明ですが、2022年度のコロナ予算5兆円。全部合わせて、約106兆円を国が借金して、国民にばら撒くという異常事態です。国民1人当り85万円になります。

 

このばら撒いたお金ですが、新型コロナの蔓延防止を口実にサービス業の多くが営業自粛させられているもので、使い道がありません。しかたなく預金に回ります。増えた預金は投資に回るので、株価が上がるというわけです。サービス業の活動が低下した分が、GDPの縮小ということになります。

まぁ、健全な状況でないことだけは間違いありません。