ワクチン接種にフリーライド(タダ乗り)議論

ワクチン接種の接種意向は63%が接種を希望すると、15%が希望しないと答えました。

☞ 新型コロナワクチン接種に関する意識調査

 

感染症の場合、感染が拡大することで集団免疫ができます。本来のパンデミックは感染の拡大によって終息していくものです。しかし、致死率が非常に高い感染症の場合は、感染拡大が社会に致命的な打撃を与える可能性があります。このため、感染を拡大させるわけにいかず、ロックダウンなどで感染機会を減らし、ワクチン接種で疑似感染を広げて集団免疫をつけるという手段が必要になります。

 

新型コロナワクチンの接種意向(2021.05/17~20)
新型コロナワクチンの接種意向(2021.05/17~20)

新型コロナウイルスが、世界最高の保健衛生レベルと、世界一健康な国民が住む日本で、それほどの危険性を持ったウイルスであるという判断は、科学的には否定されます。

 

さて、どのくらいの人が感染あるいはワクチン接種によって免疫ができれば、集団免疫ができたと言えるかです。

簡単な近似式としては、必要な免疫獲得率≒1-(1÷基本再生産率)とすることができます。

 

新型コロナウイルスの基本生産数を2.5とすれば、1-(1÷2.5)=0.6となり、人口の60%が免疫を獲得することで集団免疫が達成されて感染症の拡大はありません。日本の感染状況からは、実際の基本生産数はもっと低いと予想されますから、仮に1.5とすれば国民の1/3がワクチン接種した段階で集団免疫は達成されます。

 

ここで、ワクチンは完全に安全ではなく、一定の割合で酷い副反応があり、ときには重症化します。ワクチンを接種する目的が集団免疫の獲得である以上、自分以外の人にワクチンを打ってもらって、自分は打たないという選択はあり得ます。

また、社会的にも科学的にも必要がないのに国民全員にワクチン接種を強要することは、経済的な負担でも医療面での負担を考えても、合理的ではありません。

 

 

ただし、ワクチン接種のフリーライド(タダ乗り)を許さないという、国民心理から生まれる社会的な要請もでてきます。そこで、政府や自治体はワクチンパスポートを発行するといった政策を検討します。

しかし、この政策は諸刃の剣で、今後必ず一定の数は出てくる薬害訴訟において、政府や自治体が不利になります。薬害訴訟で負けて政府や自治体が補償をすれば、その費用は結局は国民の負担になります。

 

尚、ワクチンの接種が重症化を防ぐという話をする科学者がおりますが、集団免疫が達成されれば、ワクチンの接種の有無に関わらず重症化のリスクは同じように下がります。嘘は言っていないのですが、ある種のフェイクではあります。 

 

いろいろ難しい問題です。

まぁ、諸々仕方がないというか、浮世の義理もありますので、順番が来ればワクチン接種をしますかね?