もし今が緊急事態なら、ワクチン接種は解決策にならない

現在の日本が新型コロナ感染症の蔓延で緊急事態にあるという前提がそもそもおかしいのですが、これがワクチン接種で解決するという理屈も相当におかしいです。

 

報道で海外ではワクチンの接種が進んで、新型コロナ感染症の抑え込みに成功している。日本では、政府の怠慢によってワクチン接種が進んでいないからけしからん。ワクチン接種さえ進めば、明るい未来が来て、オリンピックだって楽しめる。マスコミに出演する人は、新興宗教の信者のようです。PCR一神教から、ワクチンが並列する二神教になったイメージです。

 

国別 コロナ直近死者数vsワクチン接種率
国別 コロナ直近死者数vsワクチン接種率

ワールドメーターのデータから、ワクチン接種率と新型コロナ感染症の被害の関係をグラフにしてみました。

 

両対数グラフです。

横軸がワクチン接種率(%)です。ワクチンは1人が2回打ちますので、200%が上限になります。

現時点でワクチン接種率が100%を超えているのはイスラエルとUAEの2か国です。ちょっと注意が必要なのは、100%を超えていても、いろいろな事情で1度の接種も受けていない人もいます。

 

縦軸は直近7日間の人口100万人当りのコロナ関連死者数です。死者数のカウントは国によって異なり、日本のようにPCR陽性者であれば直接の死因がコロナ肺炎でなくても幅広に数える国(大幅な水増し)もあれば、直接の死因がコロナ肺炎で間違いないものだけを数える国もあります。このため、国際比較には不向きですが、他に適当な比較基準がないので採用します。

感染者数と意図的に誤って報じられることの多い検査陽性者数は、検査体制も検査方法も国によって大きく異なるので、国際比較にはもっと不向きです。

 

一応、人口500万人以上の国ですが、最貧国のいくつかと内戦などでデータが信用できない国は外しました。緑色がG7の国です。黄色がその他の主要国です。そして、赤色が日本です。

この図を見て、ワクチン接種が進めば、赤い丸が右斜め下に移動して緊急事態から脱すると確信できる人が、果たしてどのくらいおられるでしょうか?

 

変異種が大きなニュースになっていますが、そもそもコロナは風邪の原因ウイルスの一つです。子供の頃から、風邪には特効薬が無い(風邪のウイルスは変異するからワクチンはできない)と聞かされていました。風邪をひかないように、風邪をひいても大丈夫なように、元気な身体をつくろう!って。

結局のところ、それで、いいのではないでしょうか?