コロナデマはグレシャムの法則の一般化で説明できる

3度目の緊急事態宣言発出。日本の首都東京が夜間消灯するというような話も出ています。

 

グレシャムの法則というのは、金本位制の経済学の法則です。「悪貨は良貨を駆逐する」というものです。金貨に金の含有量が違うものが混じっているなら、人はできるだけ金の含有量の多い金貨(つまり良質な金貨=良貨)を手元に置きたがるので、流通するのは金の含有量の少ない金貨(つまり悪貨)ばかりになるという法則です。グレシャムは16世紀に英国王エリザベス1世の財政顧問だった人物です。

 

金本位制の頃の紙幣
金本位制の頃の紙幣

金本位制では、その国が発行する貨幣は金の価値で裏付けられていました。日本の紙幣にも赤枠のように、金貨と交換するという記載があります。現在は、多くの国が管理通貨制度になっていて、貨幣に金による裏付けはありません。

 

さて、このグレシャムの法則は金本位制のこと以外にも一般的に成り立ちます。

すなはちグレシャムの法則を一般化して「悪質は良質を駆逐する」とする法則です。これを逆淘汰とも言います。

 

通常の淘汰とは、良質のものと悪質なものが混じっているなら、消費者はできるだけ良質なものを購入しようとするので、市場には良質なものしか残らない。悪質なものが淘汰される。

しかし、これは消費者が容易に良質なものと悪質なものを見分けられる場合です。

 

消費者がその品質の良さ・悪さをすぐには見分けられない場合に、良質なものほど供給コストが高いという前提を置きます。

この場合、消費者は良質なものと悪質なものをランダムに購入することになります。良質なものはコストが高いので、より良質なものを供給する供給者から順に市場から撤退します。この結果、市場に出回っているものの平均的な品質レベルが低下します。消費者の購買意欲を喚起させるために価格が下がります。このため、良質なものを供給する供給者は、さらに撤退していきます。これを繰り返すと、最も質の低いものだけが市場に残るというわけです。

 

コロナ騒動もはじまってから16か月になりました。日本でコロナデマといってもよいような、超低レベルの情報だけが残っているのも、こういうメカニズムなんでしょう。良質な情報、まっとうな調査や研究はコストがかかります。本来参考になどならない海外のデータを適当に引っ張ってきたり、裏付けもなくいい加減なことを言うのは低コストです。

 

消費者であるマスコミや政治家が、自らの事情で求めたということもあるでしょうが、逆淘汰が究極のところまで進んでいます。現在、容易に入手できる情報は、信じられないほど質が低くなっています。

こうした逆淘汰に対抗する一般的な方法は、公的な機関による規制です。中国などの国ではきっちり規制できますが、日本ではできません。コロナ騒動の出口(終息)がまるで見えないのが不安です。今さら、ただの風邪でしたと、本当のことも言えないですし・・。