今日は雨水ですが、積雪になりました

今日は二十四節気の一つ「雨水」です。この時期から、雪が雨に変わり、氷が水になるという意味です。しかし、今日は日本中が寒気に包まれ、当地もかなりの積雪と強風でした。

 

山口県の山陽側は積雪が珍しいので、事故も起きやすくなります。山陽自動車道で路面凍結による多重事故が発生したために、国道2号線が30km以上に渡って渋滞したようです。私は、たまたま逆方向だったので、事なきを得ましたが、巻き込まれた人はたいへんです。

 

雨水
雨水

百人一首に光孝天皇の歌があります。

「君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ」

 

雨水は旧暦の1月7日に当たります。立春から15日ほど経った頃です。

春の七草、「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」の七草がゆを食す習慣があります。

 

歌のなかの「若菜」は、七草の新芽のことです。若菜を摘むときでも、まだ雪が降っているわけです。この歌の「君がため」の君が誰なのでしょうか?

光孝天皇は若い頃は不遇だったようです。文化教養に優れた穏やかな人物で、55歳で思いがけず天皇に即位した(兄の文徳天皇の孫にあたる陽成天皇が関白藤原基経によって廃位された臨時代理)後も、質素な生活をしていたそうです。僅か、4年足らずで崩御されました。

 

このため、君というのは特定の女性を指すのではなく、国民を指すのではないかとも言われます。宮廷の行事として、春野に出られ、(当時としては)高齢の帝が、国家・国民のために若菜を摘むという姿を思い浮かべてもいいかも知れません。

 

同じ古今和歌集には、詠み人知らずで次の歌もあります。

「我君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」

君が天皇を表わしているから怪しからんという説を唱える人もいますが、朝顔の君とか特定の女性のために歌われたものかも知れません。

 

話が変わって、釈迦は誕生したときに「天上天下唯我独尊」と言いました。唯だ我、独(ひとり)として尊い、この我が釈迦を表しているのか、我々人間を指しているのか、また一人に人という意味なのか、諸説あります。

 

まぁ、言葉は良いようにとればいいわけで、ことさら悪意を持って切り取りをしないほうが、健全な世の中になります。