メタボ検診の効果に疑問という報告に疑問

京大の研究グループが「メタボ検診は効果が薄くて無駄遣い」だと発表した、という報道がありました。いつもながら、学者とマスコミは、妙なことを言います。

 

今日は、新聞各紙とワイドショーで盛んに流しています。こうした報道があふれるのは、マスコミ関係に、芳しくない生活習慣におぼれて、メタボ検診に悪い印象を持っている人が多いせいなんだろうと、邪推してしまいます。京都大学の先生の報告書を素直に読めば、メタボ検診に効果が薄いことを説明はしていません。むしろ、積極的に推奨できるように思います。

 

メタボ健診
メタボ健診

メタボ検診(特定健診)は、40歳から74歳までの人が受診します。

男性の場合は、検診の結果、内臓脂肪の指標である腹囲が85センチ以上、且つ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上に問題がある場合に、メタボを疑います。そして、メタボが疑われると、無料の保健指導を受けることを推奨されます。

 

京都大学の大規模な調査でわかったことは以下の内容です。

 

保健指導を受けた男性(腹囲が85cm以上∔何かの異常+保健指導受けた)では、健診から1年後に、平均で体重が2%減った。例えば、80㎏の人は1.6㎏減った。一方で、血圧・血糖・脂質の改善は、はっきりした効果がなかった。

 

メタボ検診で保健指導を受けるように言われたが、受けなかった人(85cm以上+何かの異常)では、1年後に、平均で体重が0.4%減っていた。血圧・血糖・脂質は、やはりたいして変わらなかった。

さらに、この調査によると、4年が経っても体重・血圧・血糖・脂質にたいした変化は見られないということです。

 

この結果をもって、あなたは、日本のメタボ健診や保健指導に効果がなくて無駄だと思いますか?そんなことはないですよね。

この調査の中央値としてモデルになるのは、私くらいの”60歳男性”です。現代の標準的な日本の”60歳男性”は、64歳になったときの体重・血圧・血糖・脂質が、60歳のときと変わらないのです。この事実を、欧米でもアジアでも、他の国の人に言ってみてください。答えは、明らかでしょう。

 

実は、私、このメタボの保健指導を受けたことがあります。会社を辞めて独立した、5年ほど前のことです。 このとき、はじめて、メタボ予備軍になりました。会社を辞めると太ります。

 

健診の数か月後に保健指導を受けませんかと、電話がありました。まぁ、いいですよと返事をすると、保健士さんが1回訪問してくれて、1時間くらいの面談しました。食事と運動といった、結構ありきたりのことです。その後、数カ月間隔で2回の電話アドバイスを受けました。

 

私の場合は、根が単純なので、言われたことを素直に実践します。その結果、明確な効果が出ました。2年半くらいで、BMIが25から22になり、血圧が10くらいは下がったでしょう。

血糖・脂質の数字はよくわかりませんが、健診はオールグリーンです。 肩こりや不眠などもなくなりました。その当時のズボンは緩くてはけなくなりましたが、生活の質は確実に上がったと感じています。

 

教訓としては、頭でっかちにグダグダ考えないで、保険指導を素直に聞いて、受け入れることだと思います。数字をこねくり回して、健診や指導に効果が無いと宣伝してまわるのは、ちょっと違うような気がしています。