古代でも睡眠時間は7時間。たくさん話していた

電灯が無い時代、行灯なども油が高価で十分に使えなかった庶民であれば、日の出とともに起きて、日没になれば眠るというサイクルのように思っていました。

 

日本の場合では、日没から日の出までの時間は、夏至の頃が9時間半、冬至の頃であれば14時間半くらいになります。昔の人は、この長い夜の間は眠っていたのだろうということです。テレビもインターネットもないわけですから、真っ暗な中を起きていることは考えにくいです。

 

焚火の炎
焚火の炎

しかし、実際には、電灯も行灯もない古代の人でも、睡眠時間は7時間とか8時間で、現代人とあまり変わらなかったということです。

 

一つの理由は、人間が火を利用できるということがあります。調理をしたり、暖をとったりするために火は身近にありました。炎の明るさが古代人の夜を支えていました。

もう一つの理由が、自然の明るさです。月の照らす明るさは現代人以上に感じていたでしょうし、満天の星の明るさも今以上だったと想像されます。

 

それでも、テレビもラジオもないわけです。炎や月の明るさは、何かしら細かい作業ができるほどではありません。毎晩、宴会して飲めや歌えでもないわけです。そうすると、いったい何をして夜を過ごしていたのか、という疑問が残ります。

 

アマゾン川の上流で、電気もガスもない未開の生活をする部族の生活を調査したそうです。それによると、夜になると、家族が集まって、とてもたくさんの話をしているそうです。古代人も同じように、夜にたくさんの話をしていたと思われます。

 

話をすると言っても、有名人のゴシップとかスポーツや政治の話題はないわけです。それぞれが、その日に実際に見たこと、経験したこと以外に話すことがありません。また、明日は何をするかという計画も語り合ったと思われます。

 

数時間に渡って、話を続けた後に、ようやく就寝します。日没からは3~4時間が経っています。そして、日の出の1時間くらい前、空が白み始めた頃に目覚めます。

つまり、古代人の睡眠時間は、意外に短かったわけです。ちょっと不思議で、ちょっと好いですね。