被災地への救援は広域でおこなわれる

夕方、山陽道を走っていたら赤色灯をつけた大型警察車両の車列とすれ違いました。災害派遣と表示された広島県警の車両です。熊本の災害救援に向かっているようです。

 

報道はあまりされていませんが、警察・消防・自衛隊はもちろん、民間の方も含めて多くの人が救援に向かっています。この救援の速さは、大いに進歩したこととして評価されるべきだと思います。以前のブログも再掲します。

☞ 2016/04/16 たくさんの災害派遣車両が西へ

人吉城
人吉城

こんなことを言うと問題なんですが、日本各地で100年に一度の災害がこれだけ頻発してくると、救援の経験が積まれてきます。人は経験していないことを実行するのは、難しいですし、多くの場合うまくいきません。特に、災害救助のように複雑な事象では、その場の機転が重要になります。経験は頼りになります。

 

民間でも、川船の船長さんが同業者のつながりで救援に行かれたと聞きました。具体的なことは知らないのですが、同業者(その道のプロ)が助けにきてくれるのは頼もしいです。

事業継続計画をつくる際には、少し遠方(山口と熊本くらい)の同業者で心やすい人がいたら、相互援助の約束をしておくことを推奨しています。

 

一方で、経験が邪魔することもあります。

テレビのインタビューで被災した人に「これまで、こんなことがありましたか?」「いや~、こんなことはなかった。初めてのことだ。」「この前のときの水位は、あの辺までだった」というやり取りをいくつか見ました。このインタビューを繰り返す趣旨は不明ですが、人の一生のうちで頻繁におこることなら、大規模災害にはなりません。

 

球磨村で災害救助法が適用された洪水は過去4回あって、最後が昭和57年(1982年)です。38年前です。球磨川が暴れ川で、氾濫を繰り返しているといっても、毎年洪水が起こるわけではありません。40歳までの人には、洪水の実体験がないわけですし、氾濫する場所もいつも同じとは限りません。

 

自身で経験できないとなれば、他人の経験を学んだり、ハザードマップなどで科学的な見解を理解することが大事です。「今までなかった」は「これからもおこらない」を意味しないので、警戒して準備することが大事です。