「持続可能」を正しく理解しよう

ある仕組みが持続できるというのは、「将来世代の欲求を満足できる」のが前提です。

 

現代世代が自らの欲求のままに振舞って、将来世代に何も残さないというのでは、その世界は持続できません。何かを開発するにしても、環境を破壊したり、資源を使い尽くしたりしてはならないわけです。また、同じ現代を生きるものでも、先進国と途上国、富裕層と貧困層などの格差を残したままでは、持続していくことはできません。

 

SDGs
SDGs

繰り返しますが、「持続可能」というのは「将来世代の欲求が満たされる」ことが必須の要件であるということ。これを、決して忘れてはいけません。

 

新型コロナ騒動に乗じておこなわれている諸施策ですが、果たして「持続可能」と言えるのかを考えてみたいです。

 

新型コロナ感染症は、将来世代にとって脅威ではありません。しかし、我々は将来世代に過度な負担を強いています。

 

新型コロナ感染症に託けた経済支援施策は、結局のところは高齢者向け支援です。このつけは、何も知らない将来世代が全て背負うわけです。

 

例えば、持続化給付金が話題になっていますが、中小企業・小規模事業者の経営者の平均年齢は2018年のデータで64.9歳です。4人に1人が70歳以上で、8人に1人が75歳以上です。

この給付金事業は、電通が受け取る事務費1600億円を含めて、どうやら総額で5兆円とかになりそうです。この金は、結局は将来世代が負担します。

 

もし、1年に生まれる子供80万人で負担するなら、1人当たり625万円です。

年金をもらっている高齢経営者を助ける施策が、本当に「持続化」になったのですか・・? と、将来世代から詰問されたときに、ちゃんと応えられるのか?

よく考えたみたいと思います。

 

2011年3月に東日本大震災があり、早くも翌月4月には菅直人首相が立ち上げた復興構想会議で復興税が話題になり、11月の国会(野田佳彦内閣)で復興特別税に関する法案が可決されました。個人所得税に2.1%の特別税が、2037年までの25年間上乗せされています。

 

現時点で見えている新型コロナ緊急対策の費用を同じように特別税で賄おうとするなら、ざっとの計算で、今後の25年間、個人所得税に25%の上乗せが必要です。

あるいは、消費税をコロナ復興目的税として、さらに2%上げることも考えられます。(こちらのほうが、現実的でしょう。)いずれにしても、ポスト安倍政権の最初の課題です。

 

使ったお金はどこかから持ってこなければなりません。難しい計算なんか不要です。国がお金を持ってくるには、増税以外の方法はありません。国債や特別債で調達しても、これは借金ですから結局は同じことです。

しかも、日本政府は今回のコロナで、名実ともに債務超過に転落しました。返済計画を立てないままで、時を過ごすのは無理です。

 

新型コロナ騒動は、世代の分断・国家の分断・貧富の格差など「持続可能な開発」の今後に大きな禍根を残しました。地政学的にもコロナウイルス感染のタイミングにおいても、日本は世界をリードできる立場にありました。

 

しかし、残念ながらはしゃぎまわるマスコミや、責任を負わない専門家達などの扇動に乗っかって、国や地方の官僚たちが道理を誤りました。自分で考えることのできない政治家は、専門家をうまく使った官僚の言いなりになるしかありませんでした。

  

自然人である人間には寿命があっても、法人である会社(あるいは法人でなくても事業)には寿命が無い。だから、会社は「永遠に生成発展しなければならない」と、どの経営者にも、どの会社にも、ずっと言ってきました。

逆に言えば、ずっと経営者であり続けられる人はいないわけです。これが自然です。