パチンコ店、営業再開でも消えていく

新型コロナの東京アラートが解除となって、都内のパチンコ店も営業再開です。

 

宇部市でも最近閉鎖したパチンコ店が見かけられます。全国では、昨年(2019年)421店のパチンコホールが閉店しました。これは全体の4.4%にあたり、昨年末の店舗数は9639店と38年ぶりに1万店を割り込みました。そこにきて、新型コロナ禍での営業自粛ですから、今年はパチンコ店舗の閉鎖が一層増えそうです。

 

パチンコ店(営業自粛)
パチンコ店(営業自粛)

以前、パチンコは30兆円産業と言われていました。

ざっくりとつかめば、1店舗の年商30億円×1万店ということです。客単価を3万円として、年間延べ10億人が遊んでいたことになります。一人が1年間に50回パチンコするなら、パチンコ人口2000万人となります。

実感からすると、少し盛っていますかね?

 

パチンコ離れは進んでいます。社会生活基本統計によれば、2016年の1年間に1回でもパチンコをした人は960万人となっています。

この調査によると、主なパチンコ愛好者は昭和30年以前に生まれている60歳以上の世代です。昭和30年代前半を境にしてパチンコ愛好者率は下がります。

 

私も、学生時代にはパチンコ屋さんに行ったことはありますが、それでも数は限られます。どうも、我々の世代は成人になる頃にパチンコ店や麻雀店にあまり行かなかったように思います。

 

大きな理由が、インベーダーゲームなどのテレビゲームの登場です。パチンコや雀荘に行く先輩は多かったですが、同級生ではゲーム喫茶に行く連中の割合が高かったです。

その後、世の中はバブル期を迎え、パチンコ業界ではフィーバー機が登場して大躍進を果たすのですが、既に社会人になっていた我々世代はパチンコに気持ちが向かいませんでした。

 

さて、アフターコロナのパチンコ業界です。

 

 

高齢者が多く集まり、しかも健康状態の悪い人も多い(同じ調査でパチンコ愛好者の10.7%が健康状態がよくない)のですが、 パチンコ店で新型コロナに感染したという人が出ているわけではありません。それでも、都知事や府知事や専門家、マスコミから目の敵にされているのは、パチンコが自粛の象徴としてわかりやすいからなんでしょう。

 

パチンコ店がお店に人を集められなくなったからといって、オンラインパチンコとか、リモートパチンコというわけにはいきません。これは別のビジネスです。

パチンコはお金を賭けるから面白いという意味では、ソーシャルゲームでも事実上お金が掛かっていますから似たようなものです。若い世代は、パチンコからソーシャルゲームに移行する可能性はあります。高齢者がオンラインパチンコを面白がるとは思えないので、行き場はないですね。

 

時悪しくも、仲間内のテンピン麻雀が賭博だと騒がれています。パチンコ店で射幸心をあおるような新型機を出すわけにもいかないでしょう。いろいろ難しい課題です。