あらゆる差別と抑圧のなくなる大同の世界

「大同」は孔子が描いた理想世界のことです。天の公理に基づき,人心が和合し,よく治まった,あらゆる差別のなくなった、至公無私の平和な社会です。

 

今日は中国で天安門事件が起こった日です。香港では共産党が成立を図る国家安全法への反対運動とその鎮圧が過激化しています。アメリカ・ミネアポリスで白人警官が黒人男性の首を圧迫して死なせたことに端を発した抗議のデモは、アメリカから世界へと広がっています。世の中は、多くの差別、対立、矛盾に満ちています。

 

大同の世
大同の世

孔子は尚古思想ですから、理想郷は古代にあり、それに学ぶものと考えます。古代では天下は公有のもので、公平で平和な社会であった。しかし、現在(といっても2500年前ですが)は天下は私有され,私利私欲が横行している。この理想郷が大同の世界です。

 

あらゆる矛盾と苦悩がなく、世界に国境もなく、(国境が無いから)戦争もなく、民族や身分の差別も無く、人種の差別も無く(というより人種の区別そのものが無い、均等に交じり合えば混血して人種の違いはそのうち無くなる)、男女の差別も無く(人はそれぞれが独立しており、夫婦別姓どころか婚姻もない)、自分の家も土地もなく(あらゆるものは私有されない)、職業の区別はなく(共同生産のようなものです。農民になるか職人になるか役人をするかを自分で決めるのではなく、公的に決まる)、誰もが何の財産も私有しないで、あらゆる生物とも共存している世界です。

 

最初の方は、いいなぁと思いますが、後になるほどムリがでてきますね。

ことほど、大同の世界までは難しいように思いますが、みんなが穏やかに暮らせる世の中をつくっていきたいものです。