新型コロナ感染症の脅威はいつまで未知なのか?

政治家やマスコミがパフォーマンスに走って本質から逃げるのは仕方ないのですが・・。

 

厚生労働省の委託している専門家会議には国民の役に立つ情報を開示して欲しいです。新型コロナウイルス感染症が危険な病気なのか、そうではないのかを国民は最も知りたいはずです。いったい、新型コロナ感染症は特別な病気なのか、よくある感染症の一つなのかを評価することを期待していました。

 

呼吸器疾患の起因微生物
呼吸器疾患の起因微生物

5月1日の専門家会議の分析と提言は、申し訳ないのですが児戯レベルでした。中学生のグループでも言える内容で残念です。

感染症事態への言及は全くなく、算数レベルで数字の動きをなぞっただけでした。

 

成人の場合で、1年間に感染症には、およそ20回罹ります。子供はもっと頻繁に感染症に罹ります。しかし、その多くは無症状であったり風邪のように軽症だったりします。

 

新型コロナウイルスが流行して、流行したウイルスに人が感染すること自体に何の不思議もありません。問題は、この感染症が怖いのか、そうではないのかです。もちろん、それは外国のことではありません。日本に住む人にとって怖いか怖くないかを知りたいのです。専門家と称するのであれば、それを分析して提言をして欲しいと切に望みます。

 

私が特にへそ曲がりなのか知りませんが、人口の1万分の1ほどのPCR検査で陽性者数がどうなろうと興味はありません。そもそも、国民1億2700万人全員をリアルタイムに検査できるわけがないので、陽性者数そのものに大した意味もありません。陽性者=感染者ではないことはわかりきったことです。

専門家会議のメンバーから、1日に1万人検査して陽性者が100人未満になったら緊急事態を解除するといった、とんでもコメントまでありました。

 

さて、2018年の人口動態調査で死因別死亡者数は次のようになっています。

肺炎は須らく感染症で起こります。死因ががんになっていてもその2割は感染症です。老衰という死因が11万人もいますが、厳密には老衰という死因はありません。実際は敗血症と肺炎が多いのですが、高齢に人の死因をことさら探る必要がないということで老衰にしています。

重要な事実は、日本では2018年に136万人が亡くなっており、感染症が死の原因である場合が多く、死の直前の症状には肺炎が多いということです。

 

肺炎球菌ウイルス接種キャンペーン
肺炎球菌ウイルス接種キャンペーン

上のグラフにあるように、肺炎の原因の2割強が肺炎球菌の感染で起こります。肺炎球菌の感染による肺炎が最も一般的な肺炎です。

 

肺炎球菌起因の肺炎予防のため、数年前から65歳になった人にワクチン接種を推奨するようになっています。TVのCMを見た人も多いでしょう。

尚、このCMには少し誇張があります。肺炎球菌ワクチン接種は当然ですが肺炎球菌による肺炎にしか効果がないので、それ以外の原因の肺炎予防にはなりません。同様に、期待を集める新型コロナのワクチンができても、新型コロナ肺炎以外の肺炎の予防には効果がありません。

 

さて、2016~2017年のデータで肺炎の致死率は6.0~6.8%となっています。仮に、肺炎球菌が原因の肺炎が肺炎全体の2割で同じ致死率として、肺炎で亡くなる人を10万人と丸めます。すると、1年間で肺炎球菌に感染して症状が出た人が33万人、そのうち2万人が亡くなっていることになります。但し、この2万人の多くは既往症のある高齢者や、がん治療や心疾患治療などで免疫力や体力が落ちている人です。

 

私たちが知りたいのは、これまでの100日間で1万3千人が発症して、432人が亡くなり、現時点で328人が重症になっている新型コロナ感染症が、例えば肺炎球菌感染症よりどれだけ怖いのか、それとも怖くないのかです。いまだに未知の感染症で何もわからないと言って、2月時点に中国がおこなった分析データだけを見せられても納得がいきません。

 

専門家会議の分析と提言は、政治家やマスコミのパフォーマンスで増幅されます。その結果、日本の多くの人を不幸のどん底に突き落とし続けているわけです。

 

もう引っ込みもつかないのかも知りませんが、「日本においてはこの感染症は、ちょっと強めの感染症対策をすればあまり怖くありません。免疫力や体力を落とさないことが大事ですから、よい生活習慣を心がけてください。」って言ったほうがよくないですか。